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近畿大とマツダ紙工業が携帯型飛まつ対策ボード開発 学生の提案で書類入れにも

食事での利用イメージ(画像提供=近畿大学)

食事での利用イメージ(画像提供=近畿大学)

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 近畿大学(東大阪市小若江3)経営学部キャリア・マネジメント学科教授の文能照之ゼミとマツダ紙工業(衣摺5)が共同で、携帯型飛まつ対策ボード「ファイル De ガード」を開発した。

携帯型飛まつ対策ボード「ファイル De ガード」

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 マツダ紙工業は、段ボールケースや美粧ケースの製造・販売が主な業務だが、東日本大震災の発生をきっかけに避難所で使用する間仕切りや段ボールベッドなどの防災商品の開発に取り組み、今年4月には設置型の対面飛まつ対策ボードを開発。教育関係や医療現場、市役所、一般企業など約500社に納入した。

 若い人の感染が増えてきているといわれていた今夏、「子どもに持たせる携帯型の飛まつ感染対策ボードを作ってほしい」と依頼があった。松田和人社長は「娘がいるが、親がいいと思って渡しても子どもは使わない。いかに学生に使ってもらうかは学生の意見を聞くのがいい」と、これまで中小企業との共同研究に取り組む文能ゼミとの共同開発が始まった。

 同商品は、「食事や会話をする際に取り出していつでも飛まつ感染対策ができるもの」という用途で開発を始めたが、学生のアイデアで「プリントを挟めるファイル型にして、付箋を貼れるようにできたら」「囲われているので自習の時に集中できる」など、用途が広がった。試作品では明るい色を使っていたが、「落ち着いた色の方が集中しやすい」という意見もあり、色も変更した。

 開発に携わった商学科3年の高瀬いづみさんは「何も分からないところからのスタートだったので完成してうれしい」、山崎舞さんは「私たちの意見だけでなく、ゼミ生にもアンケートを取って、より使いやすくなった」、キャリア・マネジメント学科3年の田中竜希さんは「人の役に立つものを作っている企業と一緒にできてうれしい。試作品を借りて家に持ち帰り、かばんに入るサイズでいいと思った。元は明るい緑色だったが自然で温かみのある色を選んだ」と振り返る。

 松田社長は「ファイルにしたら持つと思うという意見を聞いた時に、それやと思った。学生は若い感覚を持っているし、デザインにもシビア。そこがとても参考になった。怖いのは自粛明け。学生だけでなく、大人も含めていろいろな人に使ってもらいたい」と話す。

 素材は、厚さ0.5ミリの極薄段ボールで、重さ175グラム。サイズは、折り畳み時で高さ42センチ、幅24センチ、展開時は前面48.7センチ。内側のカラーはベージュとグレーの2色。価格は990円。マツダ紙工業のオンラインショップ、アマゾン、文具店「COMPASS」などで12月23日から販売する。

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