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Tシャツ専門ブランド「東大阪繊維研究所」が本社内に直営店出店 限定商品販売も

筒井利彦社長(写真左)と生産管理の須磨裕樹さん(同右)

筒井利彦社長(写真左)と生産管理の須磨裕樹さん(同右)

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 ニット糸メーカー「エップヤーン」(東大阪市菱江2、TEL 072-968-8615)が4月1日、本社屋内に自社の手掛ける高品質Tシャツブランド「東大阪繊維研究所」の直営店「東大阪研究所 work&store」をオープンした。

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 「エップヤーン」現社長の筒井利彦さんの祖父が船場で創業した糸メーカーから独立する形で、利彦さんの父・隆さんが2000(平成12)年に設立した同社。利彦さんによると、以前はUSアパレル向けのニット糸を製造・輸出していたが、時代の流れとともに中国製の安価な製品が台頭してきたため、「これから国産を商圏に技術だけで勝負をしよう。ゼロからするなら好きにやろう」と経営方針を転換したという。

 国内大手アパレルメーカーが新ブランドを立ち上げることになり、同社がそのブランドのセーターの糸を作ることになった。設立5年ほどで売り上げが軌道に乗り、2015(平成27)年には利彦さんが社長に就任。「百貨店で販売する商品の糸を作っていたので、その糸で生地を作ればいい物ができるのでは。Tシャツは質の良いものがあまりなく、素材の良しあしが出やすい」と、2017(平成29)年に高品質Tシャツ専門ブランド「東大阪繊維研究所」を立ち上げた。

 同ブランドのコンセプトは「モノズキたちに最高の着心地を!」。「『モノズキ』には、物が好きという意味と、マニアックの意味のモノ好き2つの意味を含んでいる」と筒井社長。Tシャツの型崩れや縮みは生地を編む糸がねじれようとする力によるもので、同社は創業以来、「試験を繰り返し糸のねじれをゼロにコントロールする撚糸(ねんし)技術を磨いてきた」という。同社のTシャツは丈夫で着心地が良いのが特長といい、東大阪市が優れた製品を認定する「東大阪ブランド」の認定を受け、市のふるさと納税の返礼品にも採用されている。

 同ブランドの商品はこれまで、自社のオンラインストアやセレクトショップで販売してきたが、消費者から「どこで現物を見られるか」「会社に行ったら手に取って見ることができるのか」との声があり、会社近くでショップを開こうと考えたが、「機械や作る工程など、この材料を使いここまで手を掛けて作っているというところを見てもらうのが、なりたちに興味を持っている人にとって価値になるのでは」と、社屋内に直営店を開設した。

 現在、メンズとレディス合わせ9型×4サイズ×4色を展開しており、直営店舗ではすべての商品を手に取って見ることができ、イベント限定などで作っていた靴下も販売。プリントが少しずれたものなど、ディスカウントして販売する商品もある。アイデアやプリントデザイン、商品コンセプトは社長が手掛けており、「アパレル向けの糸を作る中でTシャツ向きのものが出てきた時に新商品を考える。糸があり、材料から積み上げて材料が育って服になる。素材の才能を生かす服作りをしている」と筒井社長。

 「ものづくりのまち東大阪で、ものを含むストーリーが好きな人たちとつながるコミュニケーションツールになれば。Tシャツにそこまでしなくてもいいのではという商品も作っていきたい」と意欲を見せる。

 営業時間は月曜~土曜=10時~19時。事前予約制。

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