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東大阪のMOBIOで「大阪製ブランド」展示 2023年度認定製品16点を一堂に

丸安洋傘の「サイレントアンブレラ」

丸安洋傘の「サイレントアンブレラ」

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 2023年度の大阪製ブランド認定製品を一堂に展示する企画展「Osaka Products New Collection 2024 in MOBIO」が現在、ものづくりビジネスセンター大阪「MOBIO(モビオ)」(東大阪市荒本北1、TEL 06-6748-1054)で開催されている。

「サイレントアンブレラ」開発ストーリーを話す丸安洋傘の川口博文常務

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 「大阪製ブランド」は、大阪府内ものづくり中小企業の優れた技術を活用した製品を大阪府知事が認定し、大阪のものづくりのブランドイメージを高めるとともに、自社製品開発を促進する府の事業。昨年度は75製品の応募があり、16製品を認定した。大阪産業局の西尾和倫さんは「再利用素材を使うSDGsを意識したものや、コロナ禍で人気となったキャンプグッズなどの応募が目立った」と話す。同事業では、2012年度から2023年度までに154製品を認定している。

 ものづくりによる地域活性化や社会課題解決のロールモデルとなる製品を認定する「ベストプロダクト」には、丸安洋傘(大阪市)が手がけた雨音の静かな傘「サイレントアンブレラ」、高機能ソックスを開発・生産する「コーマ」(松原市)の「FXT040 3DSOX トレックモデル ソルテーレ」、木製パズルを手がける「CRAFT BIRD WOOD」(河内長野市)の「絵本のパズル おおきなかぶ」の3製品が選ばれた。

 手作りで傘を一貫生産する丸安洋傘の「サイレントアンブレラ」は、視覚障害者から「雨音のしない傘は作れないか」と相談されたことをきっかけに開発した商品。丸安洋傘の川口博文常務によると、視覚障害者は聴覚を頼りに行動をするが、雨の日の外出は雨が傘に当たる音で周囲の音がかき消されて不安という。同商品は、外側に目の細かいメッシュ生地、内側に一般的な傘の生地を使う二重構造で、メッシュ生地を通して細かくなった雨粒を内側の生地がはじくよう生地の隙間も計算し、雨粒の衝撃音を緩和している。現在、購入者の9割以上が視覚障害者や聴覚過敏の人という。

 「FXT040 3DSOX トレックモデル ソルテーレ」は、登山やトレッキング愛好者のために開発した商品。天然高機能素材「メリノウール」を使ったパイル生地のクッション構造や、捻挫をしやすい足首周辺のサポート機能、コーマが取得する特許技術「3D SOX」による、足の形状にフィットする立体編み構造などにより、快適な履き心地を実現した。

 「絵本のパズル おおきなかぶ」は、ロシア民話「おおきなかぶ」をテーマにした木製パズル。厚さ5センチの一枚板から登場人物と動物のピースを切り抜いた。ストーリー同様に登場人物をかたどったピースをつないでいくと、最後にカブが倒れる仕掛けになっている。

 東大阪市内企業では、金網を製造するイゲタ金網(西堤学園町1)が開発した細線溶接金網を使用する「メスティンフライヤー FLYDAY」、プラスチック製品の企画・製造・販売を手がけるミノル化学工業(衣摺1)の2つの「コの字型」のパーツを組み合わせることでつなぎ目のない正六面体となるコレクションケース「ミノルキューブ」が認定された。

 大阪産業局では現在、本年度の製品を募集している。西尾さんは「認定製品は百貨店や商業施設で展示販売をしたり、ギフトショーに出展したりするなどのプロモーションをしている。BtoCが初めてで販路がない企業や、開発の背景や技術力を持っている企業は応募してほしい」と話す。

 開館時間は9時~17時(最終日は15時まで)。土曜・日曜・祝日休館。入場無料。6月28日まで。

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