大阪府立布施高校3年生の土谷倖永(つちやゆきと)さんが10月9日、大阪経済大学主催の「第25回全国高校生エッセイコンテスト『17歳からのメッセージ』」で金賞を受賞した。11月6日、審査員長を務める同大学経営学部講師の辻晶子さんが布施高校を訪れ、表彰と講評を行った。
「大人でも子どもでもない今だからこそ発せられる言葉、その声を聞いてみたい」との思いから、大阪経済大学創立70周年記念事業の一つとして2001(平成13)年に始まった同コンテスト。今年は、「今までの自分、これからの自分」「自分にとって『海外』とは」「今、これだけは言いたい!(自由課題)」の3つのテーマを設け、全国の高校生を対象に600字以内のエッセーを募集し、542校から3万827作品が寄せられた。
10月9日は、グランプリ3作品、金賞9作品、学生審査員賞1作品、銀賞62作品など、各賞の受賞作品を発表。「今までの自分、これからの自分」のテーマで布施高校の土谷倖永さんが書いた作品「明日を作る」が金賞に選ばれた。
11月6日の表彰式で辻さんは土谷さんに、「この作品の中には自分の過去への後悔と未来への不安が描かれていて、それが道に例えられているというものだった。『明日を作る』というタイトルから想像されるような明るいタッチではない文章だが、後ろ向きの感情にちゃんと目を向けて、それを深く思考しているところに繊細さを感じた。後悔や心配など暗いイメージのある単語が出てくるが、文章全体はとても明るい作り付けになっているところも文章が巧みだと思う。タイトルと文章の結末で、明日は来るのではなく自分が作る、そういう強い意識や覚悟があるところがとても良かった」と講評を伝えた。
土谷さんは「自分はどちらかというと今だけを楽しんでいたい、明日のことを考えずに今楽しみたいという人間だが、寝る時には、その生き方をしてきて今までにもいっぱい後悔することがあったなと思う。それを受け止めて、明日も頑張ろう、頑張るしかないと思ったことを書いた」と振り返る。「受賞が載った新聞をおじいちゃんがたくさん送ってきてくれた」と笑顔を見せていた。担当教諭の清水直樹さんも「いつも一生懸命書いてくれるので(受賞して)うれしい」と共に受賞を喜んだ。