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大阪府立中央図書館で「日本児童文学戦後80年のあゆみ」 110点の作品でたどる

終戦前後の児童雑誌が並ぶ

終戦前後の児童雑誌が並ぶ

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 企画展示「日本児童文学戦後80年のあゆみ」が現在、大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1)1 階企画展示コーナーで行われている。

児童文学と戦争

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 大阪府立中央図書館国際児童文学館が企画した同展示。日本が戦後80年を迎えた今年、敗戦後の社会の中で児童文学者が子どもたちに何を伝えようとしたのか、8章立てで、国際児童文学館所蔵の書籍や雑誌110点を紹介する。

 第1章「まず、雑誌からはじまった」では、童話を書き残して出征した前川康男さんや今西祐行さんの作品が掲載された、早稲田大学童話会が1944(昭和19)年1月に刊行した「童苑(4)学徒出陣号」を展示。同じケースには「赤とんぼ」「子供の広場」「銀河」など、敗戦後、間もない時期に創刊した雑誌が並ぶ。

 第2章では、1953(昭和28)年から1960(昭和35)年に出版された、少年文学、児童文学について議論され、評論によって深められていった時代の書籍や雑誌、第3章「『現代児童文学』の出発」では、童話から現代児童文学へと変化し、長編化していった時代の作品を展示する。

 第4章では1952(昭和27)年から現代までに出版された、戦争の体験をもとにした作品や敗戦後に生まれた作家が書いた戦争を描いた作品、第5章は童話の系譜、第6章ではファンタジーという概念が生まれた頃の作品などを紹介する。第7章では、理想主義を掲げていた児童文学から光と影を描いたものに変容した現代児童文学やYA作品、第8章では海外の翻訳作品を集めた。

 同館室長の小山由さんは「昔、読んでいた人は懐かしいと思うこともあるだろうし、今の子どもたちにも見てもらいたい。戦後80年の中でどのようなことを伝えようとしたのか、幅広い年代の方に見て感じてもらえたら」と話す。

 12月14日は、児童文学評論家・作家の藤田のぼるさん、大阪国際児童文学振興財団理事の宮川健郎さんが、戦後の日本児童文学はどのような歴史をたどってきたのか、これからの児童文学はどうあるべきかについて話す、講演と対談「日本児童文学戦後80年」(13時~16時)を行う。参加費1,000円。要事前申し込み。同財団ウェブサイト、電話(TEL 06-6744-0581)、ファクス(FAX 06-6744-0582)で受け付ける。

 開館時間は9時~19時。月曜、12月11日休館。12月28日まで。

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