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東大阪・田辺聖子文学館で企画展 阪神・淡路大震災前の神戸の風景を紹介

田辺聖子さんの別宅があった諏訪山の異人館群とそこからの風景

田辺聖子さんの別宅があった諏訪山の異人館群とそこからの風景

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 企画展「思い出のまち-田辺聖子が残した震災前の風景-」が現在、大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館(東大阪市菱屋西4、TEL 06-7506-9334)で開催されている。

初展示する「ひなげしの家」直筆原稿

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 同館では1月~3月に阪神・淡路大震災と東日本大震災を振り返る機会として、震災に関連する資料を集めた企画展を開催している。今年は阪神・淡路大震災前の神戸の街に焦点を当て、神戸を舞台にした田辺聖子さんの作品や資料58点を紹介する。

 大阪で生まれ、1945(昭和20)年6月の空襲で生家が焼失した後は、兵庫県尼崎市に住んだ田辺さん。1966(昭和41)年2月に神戸市兵庫区で開業医をしていた川野純夫さんと結婚し、1976(昭和51)年9月に伊丹市に転居するまでの約10年間を神戸で暮らした。

 学芸員の住友元美さんによると「田辺さんの別宅は諏訪山の異人館にあり、神戸の街を見下ろしてきれいだったということを何度も書いており、神戸や異人館を舞台にした作品も多い。神戸の街は田辺さんのお気に入りで、神戸を離れてからも作品などに神戸の街を書いていた。それだけ思いが強いからこそ、震災記や復興を願う文章の執筆、チャリティー講演会などを積極的に行っていた」と話す。

 同展では、短編作品「ひなげしの家」の直筆原稿を初展示。同作品が書かれたのは伊丹に転居してからだが登場する家は諏訪山の異人館で、そこから見た風景が描かれている。会場には、かつて田辺さんが住んでいた異人館があった場所から撮影した、現在の街の写真も展示する。初出誌と初版本を展示する「ダンスと空想」は神戸の街と女性を主人公とした作品で、「神戸は女性がイキイキと過ごせる街として描かれており、実在するハイミスグループの実体験などが素材となっている。『ハイミスもの』を書き始めたのも神戸に住んでいた頃」という。

 住友さんは「実体験に基づいて街を語っているので、それを知って小説を読むと『これがそうか』と分かるが、その風景も震災でなくなった。作家だから残せることもあり、文学作品は記録とは違う形で震災を振り返ることができる。田辺さんの作品だから読もうという人もいると思うので、毎年この時期に震災に関する資料を出し続けていきたい」と話す。

 3月3日は13時30分から、住友さんが同館でギャラリートークを行う。

 開館時間は9時~16時30分。日曜・祝日休館。入場無料。3月11日まで。

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