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東大阪市民美術センターで「ボクネンの世界展」 畳12枚大の大作など82点

182×1092センチの「節気慈風」

182×1092センチの「節気慈風」

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 東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で現在、沖縄の木版画家・名嘉睦稔(なかぼくねん)さんの作品を集めた特別展「ボクネンの世界展~風の伝言(イアイ)を彫る~」が開催されている。

186センチ×1094センチの大作「大礁円環」

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 名嘉さんは、1953(昭和28)年、沖縄県伊是名島生まれ。1997年「地球温暖化防止京都会議」の記念切手や環境省「Less CO2」キャンペーンポスター、2000年「九州・沖縄サミット広報用絵はがき」の原画などを手掛け、国内外で展覧会を多数開催。版画以外にも、絵本製作や彫刻、作詞作曲など幅広く活動する。

 名嘉さんの作品は墨1色を版画で刷り、刷ったものに裏側から色を付ける「裏手彩色」という技法を用いる。紙は、沖縄で自生する月桃の茎の繊維を使った月桃紙を使い、版木は「イメージが湧いたときにすぐに彫れるように」と、手に入りやすいベニヤ板を使うという。

 同館での展覧会は2002年に続き2回目。大阪商業大学大学院教授の石上敏さんが沖縄で名嘉さんの作品に出会い、同館に画集を持ち込んだことがきっかけで実現した。「日本中にファンがいて全国から作品を見に来られた。また見たいとの声を受けて2回目の開催となった」と、学芸員の酒野晶子さん。今回は新作を中心に82点を集めた。

 第1・2展示室には、畳12枚大の「大礁円環」(1996年、186×1094センチ)、「節気慈風」(同、182センチ×1092センチ)の2点を同スペースに展示。サイズが大きいため2作品を同時に展示したのはこれまでに3回しかなく、うち2回は同館での展示だという。沖縄の自然や民族をテーマにした作品が多く、繊細でありながらダイナミックで色彩豊かな作品が並ぶ。

 第3展示室では、「従来のサイズと額装では表現し尽せなかった」というものを軸装で作品化した「花滝シリーズ」を展示。2000年代後半に制作したもので、桜や月下美人などの花が描かれている。

 今月21日と28日には、石上さんによるギャラリートークを開催する予定。

 開館時間は10時~17時。入場料は、一般=500円、中学生以下無料。今月31日まで。

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