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近大生がフェアトレードチョコプロジェクト 商品化に向け試作開始

メンバーの三好貴之さん(写真右)、斎藤優人さん(右から2番目)と団体の活動に興味を持ちイベントの手伝いに来た学生

メンバーの三好貴之さん(写真右)、斎藤優人さん(右から2番目)と団体の活動に興味を持ちイベントの手伝いに来た学生

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 近畿大学(東大阪市小若江3)経営学部の足立辰雄教授が立ち上げたチョコレートの製造・販売の事業化を目指す団体「美菓羅屋(みからや)」が2月、来春から販売する商品の試作を始めた。

試作品のオランジェ

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 足立ゼミの卒業生が、カカオ豆の輸入・卸やチョコレートの製造・販売を手掛ける「Dari K(ダリケー)」(京都市)に就職したことをきっかけに始まった同プロジェクト。

 インドネシアは世界第2位のカカオの生産量を誇るが、チョコレート作りに不可欠な発酵のプロセスを知らず、低品質な豆として安い値段でしか買い取ってもらえない現状を知った同社社長が、現地の農家に発酵技術を指導。発酵した豆を適正な価格で直接買い取り、生産者の所得向上を支えるフェアトレードに取り組んでいると、大学を訪れた卒業生から聞き、興味を持った。

 その年の秋、同社が主催するカカオ農園ツアーに参加し、感銘を受けた足立教授。翌年のゼミでカカオツアーを企画したが、テロ事件が発生しツアーは中止することになり、チョコレートの製造・販売を課題にすることにした。昨年10月には、同大学建築学部の学生サークル「建築研究会」の有志が取り組む空き家ストックバンクプロジェクト「あきばこ屋」がリノベーションした「長瀬の長屋」内に厨房を開設。文化祭やクリスマスイベントでホットチョコレートドリンクなどを販売した。

 来年3月で定年退職となる足立教授は、同プロジェクトをゼミではなく法人化を目指す学生団体として新規にメンバーを募集。2年生の三好貴之さんは「甘いもの、チョコレートが好きで興味があった」と説明会に参加し、「母親の影響で、家でお菓子を作ったりしていて興味があった」という斎藤優人さんは、三好さんに誘われて参加することになり、2月から活動を始めた。同プロジェクトでは、フェアトレードのカカオ豆を使うだけではなく、「輸入した際に付いているわずかな殻をむく作業を福祉作業所に依頼することで、国内のフェアトレードも目指す」という。

 今年4月からは学内の生協店舗で商品を販売する予定で、今月9日には「長瀬の長屋」で開かれるイベントで提供しようと、オレンジピールにチョコレートをかけたオランジェの試作をした。今後はショコラティエの下で技術指導を受ける予定という。

 三好さんは「これから暑くなるので冷やして食べるものを考えたい」、斎藤さんは「近大マグロのチョコレートを作りたい」と意欲を見せる。

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