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近畿大学前の洋食店「キッチンカロリー」開店50年 変わらぬメニューでOBも

開店50周年を迎える洋食店「キッチンカロリー」

開店50周年を迎える洋食店「キッチンカロリー」

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 近畿大学西門前の洋食店「キッチンカロリー」(東大阪市小若江3、TEL 06-6723-0036)が8月31日、開店50周年を迎える。

名物メニューの「ガチャ鉄板焼」

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 店主の椎林(しいばやし)要治さんは明治大学の学生時代、大学近くにあった同店と同じ名前の洋食店でアルバイトをした後、「関西でするなら同じ名前を付けていい」と言われ大阪に戻ったという。店を構える際、学生街に開くか都市部に開くかを考え、「学生街なら経験があるし、大阪でもこれからは大学に行く人が増える」と、近畿大学と関西大学の前で物件を探し、現在の場所に建っていた平屋を改装。1967(昭和42)年9月1日に開店した。

 開業当時、周辺にはうどんやお好み焼き、そばなどの店しかなく、洋食店は珍しかったという。価格は、カレーライス100円、オムライス130円、ハンバーグ130円など。「そばなどに比べ価格が高く、周りからは3カ月でつぶれるやろと言われていたが、今ではこの辺りで一番古くなった」と振り返る。東京時代の同僚やアルバイト、レジ前にいつも座っている母とともに営業し、開店4カ月後に晴子さんと結婚。晴子さんも出産の時期を除き、ほぼ一緒に店に立ち続けてきた。

 「当時は利用客の95%が学生で、5%が教職員や大学への納入業者だった」。同店のメニューはボリュームがあり、夏休みや冬休みには運動部の合宿の食事もまかなっていた。「ボリュームがある分、原価率が高く、数をこなすしかなかった。現在は米を炊く量が当時の6分の1ぐらいになった」と椎林さん。

 現在のメニューは、カレー味の野菜炒めに生卵をのせパスタを添えた名物メニューの「ガチャ鉄板焼(ライス付き)」(630円)、ドライカレーにとんかつをのせカレーをかける「ドライカツカレー」(同)、自家製の大きなハンバーグ「チーズハンバーグ鉄板焼」(810円)、豚ロースとタマネギを炒めた「ポークカロリー鉄板焼」(同)など、フードメニューは50種以上。「開店当時の近畿大学は地方出身者の学生が多く、自給自足で野菜ばかり食べていた学生には野菜の多いガチャ鉄板焼は見向きもされなかった。時代が変わり、30年ほど前からガチャ鉄板焼の人気が出てきた」と話す。

 今でも変わらぬメニューを提供する同店には、その味を懐かしむOBやOBの家族、OBに連れられてきた人が多く訪れる。「今の利用客は35%が学生で残りはOB関係」といい、取材中も晴子さんと親しげに話す利用客が多く見られた。

 現在77歳の椎林さんは「私か妻が体を壊したら店を辞めるが、長女と次女も店を手伝いに来てくれている今は、健康のため、ビール代のために働く」と笑顔を見せる。

 営業時間は、11時~15時、17時~21時。日曜・祝日定休。

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