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田辺聖子文学館、ジュニア文学賞入賞者発表 35作品が入賞

第10回田辺聖子文学館ジュニア文学賞

第10回田辺聖子文学館ジュニア文学賞

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 田辺聖子文学館(東大阪市菱屋西4、大阪樟蔭女子大学内)が2月20日、「第10回 田辺聖子文学館ジュニア文学賞」入賞者を発表した。

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同大学の前身である樟蔭女子専門学校国文科を卒業した作家・田辺聖子さんに関する研究機関で資料館の大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館が、主催する文学賞。表現力豊かな若い世代育成事業の一環として、全国の中学生・高校生を対象に、読書・文化活動の発展向上に寄与することを目的に2008年、同賞を創設した。

 今年は、小説、エッセー、読書体験記の3部門を募集し、応募総数は3949作品。同館館長で審査委員長の中西進さんや田辺聖子さん、林真理子さん、小川洋子さんが審査員を務め、35作品の入賞が決まった。

 各部門の最優秀賞受賞者の中から中学生・高校生の部各1人を選考する「田辺聖子賞」は、中学生の部で、お茶の水女子大学附属中学校(東京)3年生の河西花さん(読書体験記部門)、高校生の部で、星野高等学校(埼玉)2年生の雨宮菜央さん(エッセー部門)が受賞した。

 読書体験記部門中学生の部・選考長の中西さんは選考を振り返り、宮沢賢治「風の又三郎」を読んだ河西さんの読書感想文「又三郎とオノマトペ」について、「『風の又三郎』はのっけから意味不明のオノマトペが登場する。それに対して河西さんの作文は『私はオノマトペが嫌いだ』で始まる意表を突くみごとさ。筆力の他、ギラギラ理解の鋭さ、センスの良さをもって最優秀と考えた」と寄せる。

 エッセー部門高校生の部・選考長の小川さんは雨宮さんの「稲の花」について、「1行目から引き込まれた。緊張感があって、どこか謎めいていて、同時に曇った夏の田園風景が目に浮かんできた。書き出しの数行でこれだけのインパクトを与えられる作品は貴重」と振り返る。

 読書・文化活動の向上・推進に寄与し、特に優秀な成果を上げた学校を表彰する「学校賞」は、文部科学大臣賞に兵庫県立須磨友が丘高等学校(兵庫)、文字・活字文化推進機構賞に、甲南女子中学校(兵庫)と愛知県立天白高等学校(愛知)が選ばれた。

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