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東大阪・旧河澄家で関西弁万葉集の挿絵原画展 画家と著者のフォーラムも

座ってゆっくり見てもらおうと畳の上に展示

座ってゆっくり見てもらおうと畳の上に展示

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 東大阪市指定文化財の旧河澄家(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で9月2日、「万葉歌みじかものがたり 挿絵原画展~万葉の世界をみる~」が始まった。

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 河澄家は江戸時代に日下村の庄屋を務めた旧家で、第19代当主は1872(明治5)年の学制に基づき小学校設立に私財を投げ打つなどして地域の発展に貢献。主屋西側に建てられた数奇屋風書院造りの「棲鶴楼」は当時、「雨月物語」の作者である上田秋成ら文人が集う文芸サロンとなっており文学にも親しんだ。敷地内の建物は2009年に保存修理工事が完了、2011年5月から一般公開しており、市民の集う場としてイベントなども企画している。

 同展では、万葉学者の故・犬養孝さんの弟子・中村博さんの著書「万葉歌みじかものがたり」(JDC出版、全10巻)の挿絵原画を展示。同著は、「万葉の時代には関西の言葉が標準語で、関西弁はリズミカルで包容力があり、万葉の歌心を現代へ伝えるのに最適」と関西言葉で訳したもので、2013年に発刊。挿絵を描いた羽子岡爾朗(はねおかじろう)さんは洋画を中心に描いており、墨画にも興味があったものの万葉歌にはほとんど触れたことがなく、シーンや背景、当時の人々の思いをどう表現するか、イメージを作りながら取り組んだという。

 会場では、花や風景、人物など和紙に描かれた挿絵パネル約60枚を展示。「通常の展示では壁に展示をするが、畳の上に置いて座って見てもらおう」と、書籍の対になるページと並べて置いている。

 9月6日13時30分~15時30分には、羽子岡さんと著者の中村さん、JDC出版のあんがいおまるさんを迎える「万葉の世界をみるフォーラム~万葉の世界と挿絵を語う~」を開催。「フォーラム終了後は座談会となるので気軽に参加してもらいたい」と統括責任者の橋本拓也さん。先着50人。電話またはホームページからの申し込みが必要。

 開館時間は9時30分~16時30分(最終日は15時まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入場無料。9月30日まで。

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