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東大阪で高井田工業地域の写真展 記録活動で町工場の歴史保存

高井田地区の工場の写真と資料を集めた写真展「高井田の工場を記録する」

高井田地区の工場の写真と資料を集めた写真展「高井田の工場を記録する」

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 東大阪市布施駅前リージョンセンター 夢広場(東大阪市長堂1、ヴェル・ノール布施5階、TEL 06-6784-2018)で9月4日、写真展「高井田の工場を記録する」が始まった。主催は、工場の誕生や操業の様子を表す写真や資料をデジタル撮影し、整理保存する「工場を記録する会」。

神山鉄工所の昭和10年に描かれた工場完成図と現在の工場

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 高校教員を定年退職後、大阪商業大学大学院で「小規模経営の存立維持-東大阪市における鋲螺(びょうら)製造業を事例に-」を研究したという岡本好行さんが、指導教授から「フットワークが軽いので論文を書くより工場の創業時の記憶が薄れないように記録する活動をしたらどうか」と薦められ始めた活動。以前からの知り合いというねじ商社のサンコーインダストリー(大阪市)で48年間営業を担当した小澤豊彦さん、ベビー服製造卸会社に45年間勤めた羽尻勇さんと共に「工場を記録する会」を2013年3月に発足した。

その後、工場の設計を手掛ける飛田建築設計事務所の飛田太一郎さん、元・東大阪商工会議所常務理事兼事務局長の成瀬俊彦さんを顧問に招き活動を続けている。

 同展では、全国1位の工場集積率を誇る東大阪の中でも特に町工場の集積率が高い高井田地区を対象とし、10社の写真や資料を集めて展示。昭和10年代に描かれた工場の完成予想図と現在の工場の写真が比較できる展示や、工場前で撮影した昔の家族写真、長屋状の貸工場のパネルなどが並ぶ。展示する過去の写真は工場経営者から借りたもので、専門のカメラマンが接写しデジタル保存をした上で説明文を付けて編集した。

 会場内では、カラーワイヤなどを製造販売する日本化線のワイヤアートや、高井田の鋳造工場の技術継承を目指す「上田合金復活プロジェクト」のコーナーも展開する。

 「昔の写真があるという興味を出発点に、現在の問題点について考えてもらいたい。解決の糸口は昔の活動にあるのでは」と岡本さん。「将来はさまざまな工場の写真や資料を扱う工場ミュージアムの創業を目指したい」と意気込む。

 開催時間は10時~16時。9月5日まで。

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