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東大阪で上方舞・吉村ゆきそのさん芸能衣装展 着物やかんざしなど700点

衣装を展示する第1展示場の様子

衣装を展示する第1展示場の様子

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 東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で5月14日、「芸能衣裳の美 -吉村ゆきそのの美意識-」展が始まった。

ギャラリートークに登場した吉村ゆきそのさん

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 高松市で生まれ、3歳から舞踊を始めたというゆきそのさんは1953(昭和28)年、上方舞吉村流四世家元で人間国宝の吉村雄輝に入門。1957(昭和32)年に吉村雄輝園(ゆきその)の名を受けた。1998年には天皇・皇后両陛下ご成婚40年・ご即位10年の祝いの席で舞を披露したほか、2002年には東大寺大仏開眼1250年慶讃大法要でも舞を奉納した。受賞歴は、1985(昭和60)年文化庁芸術祭賞、2003年香川県文化功労者表彰、2007年地域文化功労者文部科学大臣表彰など。

 第1展示場では、ゆきそのさんの着物類37点、帯23点、羽織など16点を展示。衣装の中には、舞台美術家・画家の朝倉摂さんや、人形師で着物デザインや映画の衣装デザインを手掛ける辻村寿三郎さんの作品もある。衣装展示のほか、舞台写真の展示や映像上映も行っている。

 第2展示場では、顔やかつら、衣装製作、着付けを担当する技裳師として活躍した小山拡賜(こやまひろし)さんが資料として収集した、くし、かんざし、こうがいなどのコレクションを展示。ゆきそのさんが「尊敬する小山さんの美学を紹介したい」と実現したもので、くし99点、かんざし425点、花かんざし18点など、634点を展示する。コレクションの一部は公開されたことがあるが、数百点におよぶ展示は同展が初めてという。

 初日には会場でギャラリートークを行い、ゆきそのさんが作品を紹介。「伝えておかないといけない歴史を舞や音楽で表現している。文化・芸能とはそういうもの。今回の展示は芸能の知識がなくても楽しめるので、日常との違いを楽しんでもらえれば」とゆきそのさん。ギャラリートークは5月21日(13時、15時)も予定する。

 ゆきそのさんは「今月の舞台を最後に、今後は弟子への指導を中心にしていく」とも。「芸能衣装の展示などを通じて、歴史や文化、その楽しみ方を伝えていきたい」と話す。

 開館時間は10時~17時。入場料は、一般=500円、中学生以下・65歳以上無料。6月12日まで。

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