近畿日本鉄道は1月29日、東花園車庫(東大阪市吉田9)で踏切事故を想定した事故・災害復旧対応訓練を実施した。
自動車のフロントガラスを外し、運転手を救出する訓練をするレスキュー隊
近鉄の運輸部門、車両部門、電気部門、保線部門と東大阪市中消防署、河内警察署、枚岡警察署の約200人が参加した今年の合同訓練。毎年1回、地震発生や大雨による土砂災害など想定を変え実施している。
今年の訓練では、自動車が踏切内で立ち往生しているのを確認し、急停止しようとしたが自動車と接触し脱線して停止したという想定で、乗客は70人、車内に重傷者3人、軽傷者4人がいる状況。先頭車両が脱線し、枕木の損傷や線路のゆがみ、電車線の損傷、遮断機の破損などの被害が出ていると設定した。
急停止した直後の訓練では、車内状況の確認、乗客の誘導と同時に、車両や線路の被害状況の確認、接触した自動車の状況確認などを行った。消防と警察が到着すると、レスキュー隊が自動車に閉じ込められた運転手の救出や重傷者の搬送など救助活動を行い、乗客を下ろした後、機器を使って車両を線路に戻すなど復旧作業を確認した。
鉄道本部大阪統括部運輸課長の角谷充規さんは「踏切障害事故は、いつ起こるかわからない。発生したら第一は乗客の避難と救護で、それから復旧。これからも訓練に取り組んでいきたい」と話す。