東大阪・石切に9月16日、和菓子店「菓匠庵 白穂(しらほ) 石切店」(東大阪市中石切町5、TEL 072-943-2222)がオープンした。
1977(昭和52)年、初代・新澤和義さんが大阪市内で和菓子店「大和号」をオープン。1979(昭和54)年に東大阪市石切町に移転し、1981(昭和56)年に若江岩田に移転。若江岩田への移転とともに屋号を「菓匠庵 白穂」に改めた。現店主で2代目の新澤貴之さんは、1997(平成9)年に千葉の和菓子店で修業を始めたが、翌年、和義さんが急逝。修業を始めて間もない貴之さんが後を継いだ。
2号店の出店は、将来、工場を移転しようと石切に100坪の土地を確保したことに始まり、「若江岩田の前に父と母が石切に店を出していたという縁があり、より多くの人に和菓子を知ってもらいたいが1店舗の成長だけでは時代に合わないので出店を決めた」という。現在、工場は若江岩田の店舗近くにあるが、数年後には石切店に移す計画だという。
同店では今年から、「和菓子で繋ぐ未来の笑顔」を経営理念としているといい、石切店では「未来」と書いた落款を店内や紙袋のデザインに取り入れている。石切店のオープンに当たり、「若い人や子どもたちにもっと和菓子を知ってもらいたい」と商品パッケージをかわいらしくリニューアルし、ユニフォームや紙袋は青を基調としたものに変更。コロナ禍で現金を触る機会が減ったことや、レジ締めや会計の時間を削減したいことから、近くのスーパーなどで導入されていて周辺の人が使い慣れているタイプのセミセルフレジを導入した。
石切店では、薄焼きのどら焼きを職人が一枚ずつ焼き上げて作る白穂焼(つぶあん、こしあん、各150円)、ミニかすてら(1カット216円)、東大阪の星鶴醤油を使った和風マドレーヌ「東大阪ごきげんさん」(1個195円)、あんどーなつ(1個120円)、10種類のフルーツ大福(1個248円~)など、本店の人気商品を中心に常時35~40種類をそろえる。
以前から、「お菓子と一緒に地域や歴史をアピールしたい」と、東大阪産の素材を使った和菓子を作り、地域にちなんだ商品名を付けるなどしてきた新澤さん。石切劔箭神社参道の店でよもぎうどんやよもぎ団子が数多く売られていることから開発した「よもぎかすてら」(1本1,080円)、石切から見る大阪平野の夕景をイメージした「東大阪夕景菓 ミルクまんじゅう ええとこ」(1個140円)を石切店オープン記念の新商品として開発した。店内の壁面には、石切駅近くから撮影した大阪平野の写真を使い、その写真をもとにしたイラストを「ええとこ」のパッケージに使用している。一番人気の商品「白穂焼」には、北海道純バターと合わせた「バター白穂焼」(1個180円)が加わった。
9月16日~18日の3日間は、1,000円以上の購入で赤飯を進呈(各日200人限定)し、1,000円購入ごとに200円の金券を進呈する特典があるほか、日替わりで買い得商品を用意する。
現在、店舗面積は10坪程度。今後は、「奥に部屋があるので将来的には和菓子教室を開きたい。1階にあんこ工場、2階に焼き菓子工場を作り、雇用を進めて働く人の子どもを預かる託児所も作りたい。クオリティを維持しながらできることを進めていけたら」と意欲を見せる。
営業時間は10時~18時。火曜定休。