東大阪・八尾を中心にニュースを掲載する地域紙「河内新聞」を発行する河内新聞社(八尾市安中町)の新社長に三谷真一さんが就任した。
同社は1956(昭和31)年7月、八尾市で「河内新聞」創刊号を発行。現在は、東大阪、守口、柏原に支社を構え、東大阪・八尾を中心に河内エリア全域の情報を届けている。
新社長に就任した三谷さんは1974(昭和49)年、和歌山市生まれ。高校卒業後、病院事務職員として働きながら、「20代の頃から漠然と『書く仕事』に憧れていた」と作家養成スクールや専修学校に通い、学校で隣り合わせた人の縁で地域コミュニティー誌「ふれあい東大阪」で記事を書くようになった。
同誌の取材で企業を訪問する中、東大阪市役所本庁舎22階市民ギャラリーで写真展や企画展を開催する「東大阪22会」のメンバーと知り合った。「文章が書けるのであれば」と2017(平成29)年3月に東大阪市内の伝統産業や伝統工芸の職人を紹介する企画展「二十二人の匠(たくみ)」展の取材・執筆・撮影を担当。その企画展を見た東大阪新聞の小野元裕社長から「編集を手伝ってほしい」と河内新聞を紹介された。
当初はアルバイトのつもりで始めたが、2019年5月からは編集委員として参画。病院で夜間働き、勤務明けの日中を取材・編集に充てる生活を送っている。同紙では「人物ドキュメンタリー 時間・空間・人間(じんかん)」「モノづくりの街・物語」、歴史紀行「つわものの夢を訪ねて河内旅」などを担当する。今年10月5日に前社主の小山博さんが逝去し、10月9日、代表取締役社長に就任した。
河内新聞では一時期、電子版の配信も行っていたが、現在は紙媒体の発行のみ。これからウェブ版の整備に取り掛かるといい、「紙媒体は続けて深化させ、ウェブメディアとして進化していきたい。ストレートニュースを中心に人と人とが出会う場所、メディアにしていけたら」と三谷社長。「2025年の大阪万博に向け、これから関西が変わっていく様子を地域に根差してきた媒体として発信することで貢献していきたい」と意気込む。
毎月5日・15日・25日発行。