東大阪市指定文化財の旧河澄家(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で現在、企画展示「河内の古民家展」が開かれている。
毎年同時期に古民家に関連する企画展示を行う同館。これまで、河内地方の主屋の構造、数奇屋風書院造りの装飾や室内装飾など、毎年テーマを変えて開催。今回は、主庭の枯池式枯山水庭園と古くから伝わる石灯籠に焦点を当て、パネルで解説する。
解説によると、枯山水庭園は水を使わず石や砂で水景を表現する様式で、平庭式枯山水、準平庭式枯山水、枯池式枯山水、築山式枯山水、特殊形式枯山水に分類される。平安時代に書かれた日本最古の作庭書「作庭記」に「池もなく遣水もなき所に、石をたつる事あり。これを枯山水となづく」とあり、庭園の1区画に置く石の置き方を指していると考えられるという。
同展では、舟遊式庭園、座視鑑賞式庭園、廻遊式庭園に分類される池泉庭園や時代ごとの庭園の特徴、枯山水庭園の各様式、茶席に付随する茶庭「露地庭園」、灯籠の構成をパネルで紹介。同館の庭にある石灯籠は各部品の特徴から、室町時代のものではないかと推定している。
古民家を紹介するものでは、1835年以降に描かれたとされる河澄家屋敷絵図の複製をはじめ、河澄家住宅の変遷、河内地方の古民家の間取り、屋根の形式、中河内と南河内に残る13の古民家をパネルで紹介する。
同館学芸員の道岡陸哉さんは「古民家を知っていただきたいと企画した。眺めがいいので庭の前でゆっくりしてもらいたい」と話す。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館無料。2月14日まで。