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大阪樟蔭女子大学、化粧ファッション学科の学生がヘアドネーション活動

髪を寄付した学生(左から3人目)とカットやブローを担当した学生

髪を寄付した学生(左から3人目)とカットやブローを担当した学生

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 大阪樟蔭女子大学(東大阪市菱屋西4)美容実習室で10月22日、化粧ファッション学科美容コースの学生有志によるヘアドネーションイベントが開かれた。

最初にカットする長さを測る

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 学生が主体となり、地域の課題解決などに取り組む活動に対して大学が支援を行う「イキ×ラボ・チャレンジプロジェクト」の一環。この日は、小児がんや先天性の脱毛症などで頭髪を失った子どもたちに、寄付された髪でウイッグを作り、無償で提供するヘアドネーション活動に賛同した「髪の毛で夢をつなぐ~ヘアドネーション~」プロジェクトとして、美容師に必要な知識を学ぶ学生有志20人が参加した。

 学生は、ヘアドネーションを紹介する動画などを作り、在学生や教職員を対象に髪の寄付を呼び掛け、カットを担当する学生は通常の授業以外にドネーションカットの方法を学んだ。

 当日は、髪を切る前に撮影を行い、その後、カットする長さを確認。寄付用に髪を小分けにして束ね、寄付する学生自身も最初の1束をカットした。ドネーションカットの後は、学生がシャンプー、調整カット、ブローまで行った。

 カットを担当した美容コース3年の学生は「中学の頃にヘアドネーションを知り、自分も髪が長く、この髪を贈って喜んでもらえたらと思っていたが、美容院では切ってはくれるが郵送まではしてくれず、どこに送ればいいか分からずそのままになってしまった。今日の取り組みは郵送するところまでするのが良かったと思う」と話す。

 これまではウイッグで実習を行っており、人の髪をカットしたのは今回が初めて。カットした学生は「カットする時に体温を感じた。ウイッグでは肩や耳がないので難しかった。会話しながらできたらいいなと思っていたが、余裕がなかった」と話すが、「大きなミスがなかったのでホッとしている」と安心した表情を浮かべた。

 髪を寄付した学芸学部国文学科4年の学生は「同じ習い事をしていた中学生の女の子がヘアドネーションをしたことがあると言っていて、機会があればしてみたいと思っていた。こういう機会がないと思いきり切らないので、25センチカットしてもらった。こんなに短いのは幼稚園の時以来」と話す。「自分の髪で、小児がんや病気を抱えた子どもたちのウイッグを作るというのは不思議な感覚だが、役に立てるならそんなにうれしいことはない。こういう機会じゃないと学生に切ってもらうこともなく、真剣にやってもらったので感動した」と笑顔を見せる。

 指導した真殿由加里助教は「これで終わりではなく、次は寄付先の団体の見学に行き、どんな課題があるかを確認する。ウイッグを待っている人が多く、すぐに提供できないのであれば、賛同する美容院を増やすために学生が手伝えることはないか、提供したウイッグで楽しめるようにアレンジを提案できないかなど、美容の知識を役立てることを考えていきたい」と話す。

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