東大阪市指定文化財の「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で3月12日、企画展示「陶芸展」が始まった。
東大阪出身の陶芸家・桜井智子さんは、帝塚山短期大学工芸美術史の授業で陶芸と出合い、坪井明日香さんに師事。1986(昭和61)年に「第20回女流陶芸展」で入選し、以後連続4回入選。2019年には「第53回女流陶芸展」文部科学大臣賞受賞、今年、「第41回京都工芸美術作家協会展」で協会奨励賞を受賞した。
1992(平成4)年には東大阪市・加納に窯を設け、2004(平成16)年には近鉄けいはんな線・新石切駅近くに石切工房・桜陶庵(おうとうあん)を開設。2017(平成29)年1月、現在の西石切町に移転した。
同館では毎年春に陶芸展を開いており、今年は桜井さんの作品2点と陶芸教室の生徒が作った一輪挿し79点を展示。桜井さんの作品「Saibou」は、「人の体の細胞をイメージした作品で、人の生命力を思いながら作陶した」と桜井さん。「幾何学模様皿-山吹-」は、秋の山々を表現したという。2点とも、色化粧土を塗って引っかいて模様を描く「色化粧掻(か)き落とし」という技法を用いた。
生徒が制作した一輪挿しは、大きさや形、色などさまざまで、桜井さんは「なるべく人と違った作品を作ろうと頑張っていた」と話す。
学芸員の道岡陸哉さんは「同じ一輪挿しというテーマでも個性豊かでそれぞれが違うので見に来てほしい。この一輪挿しに花を挿したらこんなふうになるのかなと、想像しながら楽しんでもらえたら」と来館を呼びかける。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館無料。4月10日まで。