近鉄奈良線若江岩田駅近くの和菓子店「菓匠庵 白穂(しらほ)」(東大阪市若江本町1)が6月18日、東大阪市内の水田でもち米苗の田植えを行った。
川浦農園(七軒家)のイチゴを使った「きっと日本一大きないちご大福」や、下六万寺の玉ネギ生産者・山口さんの玉ネギを使う「玉ねぎパイ」「新玉ちゃん」など、東大阪産食材を使った和菓子作りに取り組む同店。店主の新澤貴之さんは「田植えに当たり、川浦農園から農家の西田雄一郎さんを紹介してもらった。東大阪にうるち米はあるがもち米がなかったことや、2店舗になって田んぼ1枚分のもち米を消費できそうなことから田植えイベントを企画した」と話す。
同店のSNSで田植えを手伝ってくれる人を募集したところ、「1日か2日で30人の枠が埋まった」と新澤さん。当日は、親子連れや新澤さんが講師を務める東大阪大学短期大学部実践食物学科の学生ら35人が参加し、西田さんの指導の下、田植えを行った。「若い世代の子も田植えに興味を持っているし、子どもに田植えを体験させたいというお母さんも多く、田植えをしたいという人はいっぱいいるんだと思った」と新澤さん。
今回作るもち米は「ヒヨクもち」という品種。西田さんは「わらが柔らかく、実った時に台風が来ないかヒヤヒヤするが、柔らかいので収穫した後、しめ縄作りをしたい。地元で収穫したものを地元で消費するという事例が増え、昔の農業らしくなってきた」とほほ笑む。
稲刈りは10月末ごろ行い、12月から収穫したもち米を使った赤飯を販売する予定。同店では稲刈り参加者も募集する予定といい、田植えと稲刈りの参加者には赤飯の引換券を進呈する。新澤さんは「反応が良かったので来年も田植えイベントを企画したい」と意欲を見せる。