石切劔箭(いしきりつるぎや)神社前に7月1日、商業施設「石切回廊」(東大阪市東石切町1)がオープンした。
近畿大学(小若江3)建築学部都市計画研究室を中心に、石切劔箭神社、石切参道商店街、地域住民など、石切地域に関わる人々をつなぎ、地域の活性化を図ることを目的に、2020年6月に立ち上げた地域団体「石切のわ」。同研究室は2019年から建築学部3年の学生がフィールドで学ぶ授業を通じて商店街や地域のまちづくりに関わっており、同商業施設の企画段階から同団体のメンバーとして関わってきた。
石切劔箭神社には病気平癒を願い多くの人がお百度参りに訪れることや、参道商店街には昔から漢方薬の店があることなどから、同施設を「健康・食・癒やし」をコンセプトとする地域活性化拠点と位置づけ、ワークショップを重ね、検討会を開いてきた。テナントは、学生がコンセプトを元に具体案を出し、公募により決めた。
「お百度カフェ」は、同神社にお百度参りに訪れる人に「健康でおいしいモーニングを食べてもらおう」と始まったカフェ。和洋取り混ぜたモーニングセットや季節に合わせたランチなどを提供する。営業時間は7時~17時。水曜定休。
2年前まで同施設の場所に店があった創業65年の「公楽軒」は、同施設内にリニューアルオープンした。天津甘栗や栗せんべい、マスコットキャラクター「くりぼー」のグッズのほか、ソフトクリームなどを販売。店舗前のオープンスペースにテーブルがあるため、以前から要望のあったコーヒーと少量の菓子のセットメニュー提供も始めた。営業時間は8時30分~17時。毎月9日・19日・29日定休(土曜・日曜の場合は月曜休み)。
「つるぎ屋」は、国産の材料を使ったよもぎ餅「つるぎ餅」を販売。神社の名にある「劔」の焼き印を入れる。無添加・無着色の生シロップを使う「ふわふわ氷」やビールの販売も行う。同じ企業が運営する「一休」は、熊野灘の地魚100%使用の天ぷらや、凍った果物や野菜、イナゴなどをソフトクリームと混ぜて作る「ブレンドソフト」、ベビーカステラなどを販売する。営業時間は8時~17時。
8月には追加で2店舗オープンする予定で、現在空きスペースとなっているブースでは商店街を歩いてもらおうと、各店で販売する商品を展示し、パネルと動画で商店街を紹介。新店舗がオープンした後は、SNSで商店街の情報を発信する。
企画に関わった同大学大学院総合理工学部研究科修士1年の中川諒祐さんは、石切に住まいを移して活動する。リニューアルオープンした公楽軒のレイアウトを提案し、「オープンスペースを『みんなの広場』として使ってもらうために、イベント開催時にフォトスポットやハンドマッサージなどを企画し、スペースの使い方を提案した」という。施設内で流す商店街のPR動画の制作を担当した同研究室4年の前田唯人さんは「施設の完成で終わりではなく、ここからが始まり。公楽軒でアルバイトをしながら、これからオープンスペースの運営に関わっていきたい」と意気込む。