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東大阪・旧河澄家で「桃の節句展」 明治の御殿飾りから現代まで、ひな飾り9組

明治時代の御殿飾りと昭和時代の雛調度

明治時代の御殿飾りと昭和時代の雛調度

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 東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で2月18日、「桃の節句展」が始まった。

奥座敷「棲鶴楼」に展示する約100年前の親王飾り

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 地域の家庭などから寄贈されたひな飾りを飾る同展。2017(平成29)年に始まり、初春の風物詩として地域の人が楽しみにするイベントとして定着している。

 今年は「段飾り」をメインに9組のひな飾りを展示。同館では、日本古来の並べ方である「京雛(きょうびな)」に倣い、上座である向かって右にお内裏さま、左におひなさまを並べる。

 学芸員の前野さゆりさんは「1965(昭和40)年発行の『枚岡市史』によると、二日の夜に雛餅(ひなもち)・菱(ひし)を搗(つ)く。しかし雛(ひな)飾りをする家はほとんどないとあり、この地域では昭和30年代、あまりひな飾りはしておらず、今回展示している物は今60代・70代の人の親御さんが購入した物が多い」と話す。

 同館で初めて展示する「御殿飾り」は明治時代に作られた物という。「御殿飾りは天皇の住まう紫宸殿(ししんでん)を模した物で、江戸時代に京都で流行した。御殿は職人がくぎを使わず作った物。人形の保存状態も良い」と前野さん。後に買い足したと見られる昭和時代の調度品と共に飾る。

 奥座敷「棲鶴楼(せいかくろう)」には、約100年前に作られたという親王飾りを展示する。会場には、豪華な飾り台の二段飾りや七段飾りを展示するほか、東大阪の「人形工房 松寿」(荒川1)の現代の親王飾りを飾る。

 前野さんは「御殿飾りはくぎを1本も使っていないので、木が縮んで組めなくなると見られなくなる。展示している今、雅(みやび)な雰囲気と職人の技術を感じていただけたら」と来場を呼びかける。

 開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入館無料。3月12日まで。

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