東大阪市内の工場を一般開放するイベント「オープンファクトリー こーばへ行こう!」が11月17日・18日、開催される。
日頃見ることができない工場を開放し、市内外からの来訪者に東大阪のものづくりを身近に感じてもらおうと、2018(平成30)年から行っている同イベント。1回目は、金型や照明器具の設計・製造・販売を手がける盛光SCM(東大阪市岸田堂西2)1社で行い、714人が参加。昨年は19カ所に21社が参加し、4,300人が来場した。
7回目となる今年は31カ所に34社が参加し、それぞれが工場見学やワークショップ、職人体験、マルシェなどを展開する。参加企業が増えたため、今年は2週に分けて企画。東エリア14社は、11月10日・11日に開催した。11月18日は西エリアの20社が参加。当日は会場間を結ぶ巡回バスの運行も行う。
西エリアの盛光SCMでは11月17日、トークセッションと落語のステージを行った。トークセッションでは、紙器メーカー「アートステージ」(高井田西3)の小宮路すえこ社長、小宮路社長の人生をテーマに落語を創作した落語家の月亭天使さん、盛光SCMの草場寛子社長たちが登壇し、今回披露する新作落語「あかん箱」の元となった小宮路社長の人生と新作落語についてトークした。
小宮路社長は、子どもが6歳と3歳の時に夫を亡くし、専業主婦から会社勤めを始めたが、勤め先の社長が逝去し、その借金を整理して起業。月亭天使さんが「フィクションの部分、東大阪のこれからという部分を入れたかったので、箱とすえこ社長の人生をテーマにした」と話し、落語を披露した。
今回が初参加となる配管部品加工などを手がけるマツヤ産業(西堤学園町1)は、工場見学、ワークショップ、マルシェを開催。玉西陽二社長は「説明会に行き、来年の100周年を前にやってみようと参加した。工場で毎日物を作っていると喜ばれているかが分からなくなるが、一般の人に体験してもらうことで、自分たちの仕事が社会に貢献していることを従業員が感じられる」と話す。当初は若手社員を中心に進めてきたが、当日は全従業員参加で来場者を出迎えた。
工場見学では図面通りに配管を仕上げる体験を用意。各工程で職人が技術を披露したり、参加者の体験をサポートしたりしながら、最後は加工した配管を取り付け、ゲームに挑戦するプログラムを考案した。ワークショップは、消防車に使われる縞板を使うキースタンド作り(参加費1,000円)と、工作機械に使われるアルミ管を使う万華鏡作り(同300円)を用意。11月18日の工場見学とワークショップは会場で随時受け付ける。マルシェでは、中華料理「祥瑞楼(しょうずいろう)」(御厨栄町)の水餃子やパン工房鳴門屋のパンなどを販売する。
入社2年目で同社プログラムの実行委員長を任された松岡美七海さんは「初めてで不安だったが、近隣の人に会社を知ってもらうきっかけになり、参加企業との交流もできた。予想以上に来場者が多くてうれしい」と笑顔を見せる。
開催時間は10時~16時。