東大阪市が12月16日、市役所本庁舎22階展望ロビーでストリートピアノ「sorairo piano(そらいろピアノ)」の運用を始める。
2017(平成29)年3月に閉所した金岡保育所で、長年にわたり子どもたちに親しまれてきたアップライトピアノを有効活用しようと市が企画。ピアノは閉所後、使われていなかったため、小阪楽器店(東大阪市長堂1)に調律とメンテナンスを依頼した。
外装が古くなっていたことから、大阪産業大学(大東市)デザイン工学部 建築・環境デザイン学科4年の学生5人がデザインとペインティングを担当。デザインからペインティングまで約3カ月、授業の合間を縫って大学と市役所を往復しながら完成させた。
製作に携わった井上亜優さんは「デザインのコンセプトは隙間の世界、ごちゃごちゃした世界。下見のため金岡保育所に行った時に、置いてあったおもちゃやピアノの裏側に落ちていたものからアイデアが浮かんだ。いろいろな個性を持った、私たちがデザインしたキャラクターが詰め込まれているので推しを見つけてほしい」と話す。
「sorairo piano」の名前について竹重風美さんは「この建物のすごく高いところ、しかもガラス張りのきれいなところに置くので、市の担当者と一緒に考えて空色にした」と話す。
12月1日には市役所1階ロビーでお披露目コンサートを開催した。コンサートに先立ち、野田義和東大阪市長は「ストリートピアノが東大阪の一角に、市役所のどこかにあればいいなと思っていた。街の中で普通に音楽や芸術を感じられる、触れられる、そんな街づくりを皆さんと一緒にやっていきたい」とあいさつした。
コンサートでは、東大阪市出身で大垣ピアノ教室主宰者の大垣瑞穂さんによるコンサートが行われ、集まった約150人の市民や職員を前に、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」で使われた楽曲やクリスマスメドレーを披露した。
同ピアノは、12月15日までは本庁舎1階ロビーで展示のみ行い、翌16日から22階展望ロビー南東側で誰でも自由に弾くことができるストリートピアノとして運用をする。利用時間は、11時~14時、17時~21時。演奏時間は1人10分まで。