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大阪府立中央図書館で田辺聖子さん企画展 小説や旅行記など「旅」テーマに

企画展「田辺聖子と旅をしよう」会場の様子

企画展「田辺聖子と旅をしよう」会場の様子

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 企画展「田辺聖子と旅をしよう」が6月3日、大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)1階展示コーナーで始まった。

小説の中に旅が出てくる作品

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 田辺聖子さんの小説では登場人物がよく旅をし、田辺さん自身も国内外のさまざまな地に旅行をしている。同展では、田辺さんの小説に描かれた旅や旅行記などを、18枚のポスターと掲載誌など20点の資料で紹介する。

 田辺さんは1964(昭和39)年、「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)」で第50回芥川龍之介賞を受賞。関西在住の若い女性作家が受賞したことで話題を集め、同年は「ドライブ東海道中記」「新幹線登場で魅力の伊豆」など、旅行関係の仕事も続いたほか、年末には友人と東南アジア旅行に行き、帰国後に旅行を背景にした作品を書いた。

 大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館学芸員の住友元美さんは「田辺さんはアクティブで旅行によく行き、その旅の様子が作品に書かれている。鉄道が通って現代的になった旅行の初期で、海外旅行も今とは違う。旅の多くは取材旅行だったが、個人的な旅行も小説やエッセーの題材になっている。東南アジアの旅行は帰国後に書いた小説のほか、18年後に書いたエッセーにも登場する」と話す。

 会場では、田辺さん自身も探検に行ったというツチノコ探しの旅が登場する「すべってころんで」や、旅が主人公の世界を切り開いた「ジョゼと虎と魚たち」などの小説のほか、温泉案内や関西旅行案内、ヨーロッパ食べ歩きなどのエッセー、古典の旅などの作品を、アルバムの写真や田辺さんが描いたスケッチ画とともに紹介。ショーケースでは、連載されたが1冊の本としてまとまっていないエッセーの掲載誌なども展示している。

 住友さんは「中央図書館は多くの方が利用するので、恋愛小説、旅行記、ガイド、グルメ、古典など、旅を切り口に幅広い作品を取り上げた。この展示が田辺さんの作品を読むきっかけになれば」と話す。

 6月28日は大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館(菱屋西4)で、企画展「田辺聖子が書いた1945年6月/1945年8月」を住友さんの解説で見学するツアーを行う。開催時間は14時~15時30分。定員は先着30人。参加無料。申し込みは、大阪府行政オンラインシステムと大阪府立中央図書館2階カウンターで受け付ける。

 開館時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜、第2木曜休館。6月24日まで。

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