東大阪・石切の熊本産品ショップ「熊本撰食 園田ファーム」(東大阪市中石切町4、TEL 072-987-0640)に現在、義援金募金箱が設置されている。
熊本出身で関西の大学に進学以降、関西に住む店主の園田一秋さん。昭和初期に絶滅し、県がプロジェクトを立ち上げ10年の歳月をかけて復活させた肉用地鶏の天草大王を園田さんの兄が飼養し始めたことから、園田さんは勤めていた会社を辞め、天草大王を関西のホテルや飲食店などに卸す会社を立ち上げた。
天草大王は指定された農場でしか飼養できず、飼育期間もブロイラーの約3倍と長いため値段も高い。「食べてもらわないと良さが伝わらない」と、昼は天草大王を使った親子丼(980円)、夜は地鶏水炊きなどを提供するレストランを開いた。大阪では熊本県のアンテナショップは大阪市中央区のローソン内にある「熊本よかもんSHOP」1店舗だけで、熊本県人会の集まりなどで「熊本の商品を販売してほしい」と依頼されたことから、「熊本産品のショールームのような店に」と、ショップを併設した現在の形態にした。
ショップスペースでは、肉、野菜、海産物などの特産品や、からしれんこん、馬刺しなどの名産品、菓子、調味料、くまモングッズなど多種多様な商品をそろえる。物産展などのイベントに出店することも多い。
熊本地震発生後は、仕入れ先が被災し物流網が断たれるなど店内も品薄状態となったが、今月下旬には商品がそろってきた。「かなりそろってきたが、益城町の隣にある御船町の馬刺し工場は社員が被災されていて稼働しておらず、ラーメン工場も断水と工場の損傷で製造がストップしていると聞いている」といい、再入荷のめどが立っていないものもあるという。
同店には「自分にできることはないか」と初来店した人も多く、「寄付をしたい」と言われたことをきっかけに、今月22日に義援金募金箱を設置。5月3日~5日には、大阪市内で行われる「中之島まつり」に出店し、産品の販売や募金活動を行うという。集まった募金は、関西熊本県人会連絡協議会を通じて熊本県知事に届けられるという。
営業時間は、物販=10時~19時、レストラン=11時30分~14時、17時30分~22時。レストランは予約が必要。火曜定休、イベント出店時休み。