大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)1階展示コーナーで現在、開館20年を記念した展示が行われている。
大阪の図書館は、1904(明治37)年に誕生した大阪図書館(現・大阪府立中之島図書館)に始まり、図書館のない地域に本を配送する「巡回文庫」、1951(昭和26)年に開始した車に図書を積んで地域を回る「自動車文庫」などの事業を展開した後、1974(昭和49)年、大阪府立図書館天王寺分館を大阪府立夕陽丘図書館として開館。2館体制がスタートした。
その後、1981(昭和56)年に大阪府知事の諮問機関「大阪府文化問題懇話会」が公表した提言の中で、府の文化振興の拠点として府立図書館の整備が必要であることが明記され、1989年には新府立図書館建設基本計画を作成。中之島図書館の資料の一部と夕陽丘図書館の資料・サービスを引き継ぎ、1996年5月10日、地上4階地下2階、館内延べ床面積3万770平方メートル、蔵書数約120万冊の大阪府立中央図書館が開館した。同館は、総合的な図書館として網羅的に資料を収集・保存。府内に151ある市町村立図書館のバックアップとサポートの役割を担う。
展示会場では、大阪府立図書館の歴史をまとめた年表や、あまり知られていない同館の役割、調査相談に答える「e-レファレンス」や貴重書をデジタル化し画像を提供する「おおさかeコレクション」などの非来館サービスをまとめて展示。蔵書数約275万冊、年間の図書受け入れ約5万冊、一日に受けるレファレンスサービス平均277件など、数字で同館を紹介するパネルも展示する。
20年を振り返る展示では、「今年の漢字」「流行語大賞」と主な出来事をパネルで紹介し、出来事に関する書籍を集積。所蔵する貴重書も紹介する。同館で読んだ印象に残った本や受験勉強をした高校時代の思い出など、来館者が寄せたメッセージも掲示する。
5月21日には、特別企画として「図書館まるごと見学ツアー」を開催。毎月1回開く「地下書庫ツアー」では地下書庫の見学だけだが、今回は記念展示内容の紹介と参考図書や雑誌のバックナンバーなどを収める3・4階のバックヤードツアーも行う。開催時間は11時~12時。10時45分から1階エントランスで受付開始。定員は先着20人。」
総務企画課の上村厚貴さんは「AV資料もアナログからデジタルに変わり、オンラインデータベースやネットを使った情報提供など、本だけでなく、新しいメディアや技術を取り入れながら進んでいっている」とし、「知識を切り売りするのではなく、地域コミュニティーの中での生涯学習施設としてどう施設があるべきかを考えていきたい」と話す。
開館時間は、火曜~金曜=9時~19時(こども資料室・国際児童文学館は17時まで)、土曜・日曜・祝日=9時~17時。月曜休館。5月29日まで。