クリエイション・コア東大阪(東大阪市荒本北1)で11月16日、国際協力機構(JICA)の「日本的モノづくり現場のノウハウ」コースの研修が行われた。
研修は、開発途上国の国づくりの中核を担う人材を研修員として日本に招き、技術や知識の習得をバックアップするJICAの研修員受け入れ事業の一環。「日本的モノづくり現場のノウハウ-生産性向上と設備管理-」と題し、10月16日~12月1日の約1カ月半、民間企業と協力しながら、講義、実習、工場見学など約50の研修を実施する。研修を受託する北九州国際技術協力協会では、省エネや環境、水道など約40コースの受け入れ研修を実施している。
研修には、エクアドル、ザンビア、ナイジェリア、フィリピン、ブラジル、メキシコから7人が参加。参加者は、政府の役員や製造業界団体の指導的な立場の人、職業訓練校の職員らで、それぞれの立場でものづくり力を強化したいと志望した。
16日午前中は、3S活動についての講演も多い枚岡合金工具(大阪市)で学び、午後からは、「現場を強くするのが目的であれば、それを支えるシステムが必要では。システムを入れて、システムにならって生産体制を整えていく使い方ができないか」(北九州国際技術協力協会の大和俊介さん)と、生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場」シリーズの開発・販売を手掛けるエクス(大阪市)に講義を依頼。研修員らは「生産管理はなぜ必要なのか」「生産管理システムの導入方法」などについて学び、その後は、府内のものづくり企業の技術や商品を200ブース常設展示するものづくりビジネスセンター「MOBIO」を見学した。
職業訓練プログラムを持つ高校に勤めているというメキシコのレイノソ・サンチェス・アナ・セリアさんは「日本企業の考え方や理念、道具を知るために参加した。日本には技術と職人魂があり、価格競争をしている他国と違う土俵で自分たちのものづくりをしていると気付いた」と話す。
ナイジェリアの製造業協会で国の製造業力向上を推進する立場にいるというイドゥー・アディイェミ・バミデレさんは「日本の製品はクオリティーが高く求められる能力も高い。どうやって各段階で品質に妥協せずにできているのかを知りたくて参加した」と言い、「日本の中小企業の底力が大きな企業を支えている。中小企業でも高品質を保つことができるのが驚きだった」などと話していた。