東大阪市内の小学生が考案した自転車用方向指示器「行きますよランプ」の試作品が完成し5月14日、贈呈式が行われた。
東大阪市内で開発した製品の魅力を都市ブランドとして発信する「東大阪ブランド推進機構」が市内在住・在学の小中学生を対象にアイデアを募った「第2回大切な誰かのために考えた発明品コンテスト」。414作品の応募があり、昨年7月、英田北小学校5年生(当時)の馬渡日菜子さんが考案した「行きますよランプ」が最優秀の「東大阪ブランド賞」を受賞し、試作品を作ることが決まった。
昨年8月には市内製造業関連会社が集まり、同作品の商品化プロジェクトチームを発足。同作品は「自転車で後ろを走る妹に、自分が振り返らなくてもどちらに曲がるか知らせられたら」と考案したものだが、市内では無灯火の自転車が多く事故発生件数も多いことから、事故防止、自転車マナー向上の付加価値を付けた商品にできないかと意見を出し合い、これまでに何パターンも試作を重ねてきた。
東大阪市民ふれあい祭り内の贈呈式会場では、「子どもたちの純粋なアイデアに対し、設計図がなくても作ることができる製造業が集まり、東大阪の文化である横のつながりで作る」というプロジェクトの趣旨やコンテストの概要を説明。会場に駆け付けた野田義和東大阪市長は「こういうものがあれば優しい社会になるという思いがものづくりにつながっている。夢を形にする素晴らしさを共有したい」などとあいさつした。
その後は、設計やパーツ製作、デザインなど、同プロジェクトでそれぞれの役割を担ったプロジェクトメンバーを紹介。ステージ上にはランプを取り付けた自転車が置かれ、考案者の馬渡さんによる除幕で披露された。
試作品は、ハンドルに取り付けた右のボタンを押せば右、左のボタンを押せば左のランプが点滅する指示器で、今年1月に馬渡さん宅で見せたものはボタンが押しにくく、ボタンやランプの取り付け位置などを検討。視認性を高め、点灯していることが自分で分かるよう音が出るなど改良を重ねた。
初めて完成品を見た馬渡さんは「一生懸命おっちゃんらが作ってくれて思った通りのものができた」といい、事前に母親に好きな色を確認して黄緑色にしたことに触れ「好きな色が付いていてうれしい」と笑顔を見せた。習い事から帰る時間は遅く暗いため、「これで車にも分かるのでいいと思う」と話し、ランプを取り付けた自転車を笑顔で試乗していた。
プロジェクトでサブリーダーを務めたオーシンの石田渉さんは「みんなプロでしっかり意見をぶつけてきてくれて、どうまとめるかが大変だったが、自分もちゃんと意見がぶつけられて楽しくできた。日菜子ちゃんの走っている顔がうれしそうでよかった」とホッとした様子を見せた。