東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で現在、「七五調 源氏物語挿絵原画展」が開催されている。
中村博さんの著書「七五調 源氏物語」(JDC出版)の挿絵原画を紹介する同展。挿絵を手掛けた中央美術協会委員の羽子岡爾朗(はねおかじろう)さんは洋画を中心に描いているが、劇団「あんがいおまる一座」の舞台絵を描いたことがきっかけで、2012年に出版された「万葉歌みじかものがたり」の挿絵を墨で描くことになったという。
同館での展示は2015年の「万葉歌みじかものがたり」の挿絵原画展に続き2回目。羽子岡さんは「七五調 源氏物語」の作画を振り返り、「源氏物語は心のやりとりの場面が多く、アクションが少ないので苦労した。平安時代の衣装を着てどのような動きをするのか、葵祭や祇園祭など当時の衣装をまとった人の動きや牛車などを間近に見て描き、建物の造りは京都の社寺を参考にして描いた」と話す。
同書籍は全15巻のうち現在13巻が刊行されており、1冊につき250~300点の挿絵が付いている。同展では、1巻~2巻の原画パネル53枚、80号3枚をつなぎ合わせた大型作品など計62点を展示する。
9月16日は13時から、中村さんと羽子岡さんを招き、文学講座「源氏物語 源氏・万葉こてんコテン」を開く。参加無料。定員40人。要事前申し込み。同館の電話とホームページで受け付ける。
「インターネットなどで調べるのではなく、風を感じてもらいたい。この当時はこんな感じだったと雰囲気を分かっていただければ。小さい子どもにも、こんな風に人が踊っているなど動きを見てもらい、源氏物語に接する機会になれば」と羽子岡さん。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入場無料。9月28日まで。