商業施設「フレスポ東大阪」(東大阪市稲田新町3)2階イベントスペースに12月9日、東大阪のものづくりの歴史を紹介する「東大阪モノづくりミュージアム」がオープンした。
東大阪市内の工場の歴史を記録し、資料や写真を公開することで工場の誕生や操業の様子を後世に伝える活動をする「工場を記録する会」。2015年には、町工場の集積率が高い高井田地区の工場を対象とした写真展「高井田の工場を記録する」、2016年には企画展「東大阪モノづくり長寿企業『緩やかな成長と革新の継続』」、昨年には、東大阪市内の企業が国内で初めて開発した製品や地場産業を紹介する「東大阪地域経済の歴史展」を開催した。
活動当初から「モノづくりミュージアム構想の具現化」を掲げてきたが、「昨年の特別展の際にモノづくりミュージアムの開設を次の目標にしたいと思った」と、同会会長の岡本好行さん。開設場所を探す中、社会貢献・地域貢献活動の一環として、ものづくりイベントを開催する「フレスポ長田」「フレスポ東大阪」を運営する大和リース(大阪市)に常設展示の話をしたところ、賛同を得てイベントスペースの一角を無償で貸りられることになり、実現に至った。
同スペースには、地場産業の鋳物や河内木綿、鉄線に始まり、地場産業をベースにした産業の多様化、ベンチャー企業の登場など市内産業の変遷をたどる、これからのものづくりを考えるための歴史を振り返る展示パネルを設置し、アクリルケースには製品を展示。設備設計は、東大阪のものづくり企業が担当した。
9日に行われたセレモニーで岡本さんは「東大阪のものづくりの歴史はこういうことだったんだという関心の言葉や、これはどういうことなのかといった疑問などを直接聞くことができるのが常設展の醍醐味(だいごみ)。今後、地元と長寿企業を学ぶフィールドワークや企画展などを計画しており、パネルに関連するセミナーなども開いて意見を拾い進めていきたい」と意気込みを見せた。