大阪産業大学デザイン工学部 建築・環境デザイン学科4年生の柿本拓郎さんが現在、瓢箪山中央商店街振興組合(通称:サンロード瓢箪山商店街)でシャッターアートを制作している。
同組合事務局長の西仲則夫さんから同学科講師の川口将武さんに「閉店後の店のシャッターや工事の壁に絵を描ける学生はいないか」と相談があり、川口さんがゼミ生の柿本さんに「卒業研究でシャッターに絵を描いてみないか」と声を掛けた。独学で趣味としてイラストを描いていた柿本さんは「シャッターに絵を描けるなんてうれしい」と喜び、8月後半に同組合との打ち合わせが始まった。
「シャッターを閉めたら別の店が現れる、夜も眠らない商店街」をコンセプトに据え、シャッターに店を描くことが決定。「描き終わるのはクリスマスごろで、商店街におもちゃ屋はなく、おもちゃをたくさん描いたら色も多くにぎやかになる。子どもへのプレゼントになるのではないか」と玩具店を描くことに決め、デザイン3案を提案。「夜になったらおもちゃが動き出し、ドアから出ようとしているおもちゃや、それを見ているおもちゃをイメージした」という作品が選ばれた。
作品には、サンロード瓢箪山のキャラクター「ひょうたクン」やスマイル瓢箪山の「せんなりくん」、柿本さんが瓢箪山をイメージして考案したオリジナルキャラクター「ひょんたん」など、地域のキャラクターも描く。フォトスポットになればとの思いも込めており、「『逃げ出そうとしているおもちゃを見つけた』という感じでシャッターの前で写真を撮ってほしい」と話す。
11月23日から商店街のフリースペースのシャッターで制作が始まり、「この2週間は週に4日~5日は描いている」と柿本さん。「最初は一人で描いていたが同級生やゼミOBが手伝いに来てくれた。近隣店舗の人や通行人にも『ここ何の店ができるの?』『だいぶできてきたやん』など、声を掛けてもらえる」と、地域の人との交流も楽しむ。11月に花園中央公園で開催された東大阪グリーンフェスタでは似顔絵を描いていたといい、「描いた人が偶然この近くの整骨院の先生で、整骨院のシャッターにも描いてほしいと声を掛けてくれた。商店街内に広げていきたいと思っていたのでうれしかった」と笑顔を見せる。
「枚岡の街と山、人と人とをアートやデザインでつなぐことがテーマ。卒業制作では1店しか描けないが、これからも描きたい。近くの高校の美術部に協力してもらうなどつないでいければ」と話す。
12月19日完成予定。