東大阪ツーリズム振興機構(東大阪市荒本北1)が2月から開催する外国人向け体験観光プログラム「ひがしおおさか体感まち博2019プレ」の一つ、「滝での修行と地元野菜で作る天ぷら体験」が3月8日、開催された。
ラグビーワールドカップ2019開催時に来街する観戦客に向けた体験型観光プログラムを外国人目線で評価してもらおうと、同機構では2月中旬からモニターツアー形式でプログラムを企画。紙すき、練り切り菓子作り、革小物作り、コーヒー飲み比べなどのプログラムを開催してきた。
今回は、「岩瀧山 往生院六萬寺」(六万寺町)での滝行体験と、「お野菜料理 ふれんちん」(花園本町1)体験プログラムをツアー形式で行った。
「拾遺往生伝」(三善為康著)によると、往生院六萬寺は平安時代中期に創建されたとされ、四天王寺のほぼ真東に当たり、夕日を見て極楽往生を願う「日想観(じっそうかん)」を修行する場として早くから栄えたほか、南北朝期には楠木正行が四條畷の合戦に陣を張ったと伝えられている。
同寺院の山号にもなっている「岩瀧山」は、険しい岩肌と多数の滝があり、昨年4月の滝つぼ整備の際、滝行場跡とみられる台石が発掘されたことから滝行希望者の受け入れを再開した。「河内名所図会」には男女平等の修行場であったことが記されており、現在も女性の滝行希望者の受け入れを行っている。
同プログラムでは、大阪平野を一望できる同寺院まで車で移動し、寺の歴史を学んだ後、本堂で「滝行は心を落ち着け自分を見つめ直す修行」であることなどの説明を受け、滝行成就を祈願した。その後、副住職の川口英俊さんの先導の下、山道を登り修行場に移動。滝行の様子を見学した。
「お野菜料理 ふれんちん」は、東大阪産の野菜をメイン食材に使った地産地消のフレンチレストランで、参加者たちは地場産野菜のフリットに使うマヨネーズとミックススパイス作りを体験した。当日は地元で採れた減農薬野菜を中心とした15種類の食材、イチゴのフリットなどを提供し、参加者自身が作ったマヨネーズとミックスハーブで楽しんだ。
同プログラムに参加した20代のベトナム人女性は「滝行は外国人の私だけでなく日本人でも体験したことのないすごい体験だと思う」と話す。20代のミャンマー人女性は「日本にも仏教があり滝行があると知れて勉強になった。観光ブックには道頓堀だけでなく滝行があるとアピールしたらいいと思う。地元の野菜は興味深く、収穫の体験などもしてみたい」と話していた。
同機構では3月21日まで、モニターツアーのほか18プログラムを用意。関西国際空港や大丸心斎橋店、市内宿泊施設などでのプロモーション活動を通じ、外国人のニーズ調査や受け入れ事業者の環境整備、多言語ガイドの習熟、「旅ナカインバウンド客」取り組みの検証などを行う。