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東大阪・国際児童文学館で「学年誌」企画展 戦前発行の児童雑誌「カシコイ」の原画も

「カシコイ一年小学生」「カシコイ二年小学生」と原画

「カシコイ一年小学生」「カシコイ二年小学生」と原画

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 大阪府立中央図書館・国際児童文学館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)で現在、資料展示「幻の児童雑誌『カシコイ』 ~学年誌が描いた子ども文化~」が開催されている。

原画と誌面を並べて展示

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 「カシコイ」は、1932(昭和7)年に東京・神保町の出版社「精文館」が創刊した学年誌で、「カシコイ一年小学生」「カシコイ二年小学生」の2誌を同時に出版。童謡、童話、童画、漫画などが掲載されており、童謡顧問は北原白秋、童話顧問は浜田広介、童画顧問は初山滋と、当時第一線で活躍した作家が名を連ねる。

 浜田広介の童話「おにのさうだん」(「泣いた赤おに」の初出)や、当時まだ無名だった新美南吉の童話を掲載するなど、後世に残る作品の初出も多い。ほかにも小川未明や坪田譲治などの著名作家が作品を寄せているが、数年前まで原本がほとんど確認されておらず、「幻の児童雑誌」とされていた。精文館の創業者・北村宇之松さんのいとこで同誌の編集を担当した藤本卯一さんの孫の行司千絵さんが2015年、祖母の家で同社が出版した学習参考書や図書目録、「カシコイ」を発見し、その後、北村さんの次女が保管していた同誌の原画93点が見つかり大きな話題となった。

 会場では、原画8点、「カシコイ一年小学生」「カシコイ二年小学生」と合わせ、戦前戦後に出版された学年誌を展示する。小学館が1922(大正11)年に「小学五年生」「小学六年生」を創刊した後、集英社、学習研究社、講談社などの出版社が多数の学年誌を創刊した系譜をたどり、学年誌が描いた子ども文化を紹介する。

 同館の松下理沙子さんは「(カシコイは)大人が見ても楽しめるきれいな誌面になっている。原画と実際の誌面を並べて展示しているので見比べられるのが見どころ」と話す。

 開館時間は9時~17時。月曜、第2木曜休館(4月29日・5月6日開館、5月7日、6月10日~14日休館)。入場無料。6月30日まで。

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