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東大阪市異業種交流グループ「創遊夢」が食育商品開発 「パンの耳までおいしく」

マツダ紙工業の松田和人社長(写真左)と西森産業の西森昭博社長(同右)

マツダ紙工業の松田和人社長(写真左)と西森産業の西森昭博社長(同右)

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 東大阪市異業種交流グループ「創遊夢(そゆうむ)」(東大阪市加納3・駒林鉄工所内、TEL 072-960-0158)が9月、食育関連商品「クラストカッター」を発売した。

パンの耳に切れ目を入れる

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 「遊び心を持ってアイデアを出し合い、独創的な商品を作り出し、夢の実現を目指す集団」をコンセプトに、市が異業種連携でものづくりを進めようと公募し1997年に誕生した同グループ。当時は13社が参画し介護関連の商品などを開発していたが、一時は参画企業が8社まで減り、商品開発を休止していた。

 20周年を迎える今年、「もうかる集団でないと活動が続かない」と、「社会の役に立つことをしながらちゃんと利益が出て、刺激になりそれぞれの本業がよくなることをしよう」と方針を定め、商品作りを再開。現在は27社が参画している。

 第1弾として、段ボールケースなどを手掛けるマツダ紙工業(衣摺5)の緊急避難時備蓄用製品・減災製品を同グループの製品として販売。東日本大震災発生時に被災地の避難所に届けたプライバシー保護のための自立式パーテーションや女性更衣室・授乳室、簡易ベッド、簡易トイレなどを製造し、自治体向けの防災備蓄用品として販売している。簡易ベッドは以前から扱っていた商品だが、折り畳んでコンパクトに収納でき、3分で組み立てができる低価格のものに改良した。

 消費者向け商品第1弾となる「クラストカッター」(540円)は、国内のバタートースト評論家から「子どもが食パンの真ん中だけを食べて耳を残してしまうが解決する製品がない」と聞き、「耳までおいしく食べられるようにできる商品ができないか」と考案したもの。試作品を見せたところ、「焼く前に耳に切れ目を数カ所入れることで耳までサクサクに焼け、バターやジャムなどの味も染み込みやすくなる」「食育の観点でも良い」と評価され、商品化に向け改良を重ねた。「はさみや包丁でも耳を切ることはできるが、きれいに切れすぎる。子どもにも安全に楽しんで使える商品にしたい」と、材質は抗菌剤入りのポリプロピレンとした。金型を製作した西森産業の西森昭博社長は「パンの厚みはいろいろあり、収縮の部分が難しかった」と振り返る。

 マツダ紙工業の松田和人社長は、9月下旬に市内のスーパーで催事販売した際に「商品の説明をしたら購入してもらえたが、キッチン用品の棚に並んでしまうと使い方が提案できないと感じた」といい、「街のパン屋さんなどで販売できれば」と話す。「グループにはさまざまな業種の人がいるので、今後も中小企業が元気になる活動を広めていきたい」と意気込む。

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