八戸ノ里の「宮本順三記念館 豆玩舎ZUNZO(おまけやズンゾ)」(東大阪市下小阪5、TEL 06-6725-2545)で現在、宮本順三生誕100年企画「ぼくは100才」が開催されている。
10歳のときに小阪に移り住み、戦後の生涯を東大阪で過ごした故・宮本順三さん。1935(昭和10)年に20歳でグリコに入社し、広告課「おまけ係」として世界の玩具を参考におもちゃデザイナーとして活躍。戦後は家業のセルロイド工場を継ぎ、業者としてグリコへおもちゃを納めた。宮本さんがデザインしたおもちゃは約3000種にも上る。子どものころから絵描きになりたかった宮本さんは画家としても活躍した。
グリコ時代から夢だったおもちゃの博物館を1998年、今里に開設し、2002年に現在のビルに移転。宮本さんが手掛けたおもちゃや、おもちゃ作りや絵画作品制作のために世界中で収集した海外のおもちゃがずらりと並ぶ。亡くなる88歳まで館長を務め、世界の芸術文化やおもちゃの魅力を伝えてきた。
宮本さんの生誕100年を記念した企画展では、宮本さんの生涯をすごろくで表現。生誕から初めて作ったおもちゃ、小阪への引っ越し、中学時代など、人生の節目をグリコのおまけで表現している。すごろく展示の隣には、幼少時代に神社や縁日で買ってもらったという玩具が並ぶ。
地域学習で同館を訪問した東大阪市立縄手中学校1年生の女子生徒は、「おもちゃは遊んで楽しいものでもあるが、それぞれの人にとって大切なものでもあると思った。自分で一から考えて物を作ることをあまりしてこなかったので、自分で考えて人を喜ばせることをしていきたい」と話す。
開館時間は10時~17時。月曜・金曜休館。入館料は、4歳~中学生=200円、高校・大学生=300円、大人=500円。企画展は2016年3月31日まで。