特別展「ブラチスラバ世界絵本原画展 絵本でひらくアジアの扉」が2月8日、東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で始まった。
金牌を受賞したしおたにまみこさんの「たまごのはなし」のドローイングと絵を描くための立体作品
「ブラチスラバ世界絵本原画展」(略称:BIB=Biennial of Illustrations Bratislava)は、スロバキア共和国の首都・ブラチスラバで2年ごとに開催される世界最大規模の絵本原画展で、1967(昭和42)年に第1回を開催。日本は第1回から参加する。コンクール受賞作品と日本からのノミネート作品を紹介する日本国内巡回展は2000(平成12)年に始まり、2021年10月から翌年2月に現地で開催されたBIB2021(第28回展)は千葉、栃木、埼玉、新潟と同館の5館を巡回する。東大阪市内では今回が初開催となる。
今回の特別展は、巡回する5館の学芸員が合同で企画した。アジア諸国に焦点を当て、日本と韓国の全原画作品を紹介するものとし、原画175点と105冊の絵本、受賞作品のパネルを展示する。会場にある絵本は19冊を除き、その場で読むことができる。特集展示では、「うみだす」「そだてる」「とどける」「ひろがる」のテーマで、作家や出版社へのインタビューや図書館の取り組みなどを紹介する。
韓国の作品の特徴について、学芸員の田中由紀子さんは「韓国は絵本の歴史が浅く、昔話のような伝統的なものもあるが新しいメディアという考え方が強い。デジタル化が進んでいて原画といっても最終はデジタルでプリントアウトしたものも多く、原画の概念がくつがえされた」と話す。原画の前段階のドローイングの展示も行う。
田中さんは「絵本といえば日本では子どものものというイメージが強いが、おしゃれなものもあり大人も楽しめる。西日本での開催はここだけなので見にきてもらいたい。絵本を広める書店や図書館、出版社はあまり注目されないが、作家を育てたり、デジタル化で絵本を読む機会を創出したりするなど、出版社や書店、図書館の取り組みがあって絵本が広められていると知ってほしい」と話す。
2月12日11時~16時には出展作家の植田真さんのライブペインティング、2月18日と3月4日14時~15時には学芸員によるギャラリートーク、2月26日と3月8日10時~11時には0歳~2歳の乳幼児と保護者を対象にする「赤ちゃんと一緒にギャラリーツアー」を行う。花園図書館(吉田4)と永和図書館(永和2)では、関連図書の書籍を展示する。
開館時間は10時~17時(3月10日は20時まで)。月曜休館。観覧料は、一般=500円、高校生以下無料。3月12日まで。