
Z世代向けカードゲームなどを制作する「TRYBE」(東大阪市新家中町)と子ども向けコンテンツを開発するキッズプロジェクト(東京都中央区)がボードゲーム「にゃん生(せい)すごろく」を開発した。
TRYBE社長の山口ヒナタさんは、高校の休み時間に友達と遊んでいた自作のカードゲームを商品化したいと、大学在学中の2020年4月にクラウドファンディングで200万円弱の資金を集め、人狼を見つけてはいけないゲーム「人狼コロシアム」を販売。その後、2020年12月に友人3人と起業した。Z世代に特化した企画・マーケティングを行う「僕と私と」(東京都渋谷区)とともに開発した5分で麻雀を分かった気になれるゲーム「タイパ至上主義麻雀」などの「タイパ至上主義シリーズ」ゲームの制作や、リアル謎解きイベント、企業研修用ゲームなど、Z世代向けのアナログゲームやイベントなどの開発を手がけている。
キッズプロジェクトとは大学のピッチコンテストに出場した際に出会い、その後、キッズからZ世代向けのゲームやイベントを共同開発。「猫の一生を体験できるすごろくがあったら楽しいよね」と、両者で新たにクリエーター集団「ひなたぼっこズ」を結成し、1年ほど前からボードゲーム「にゃん生すごろく」の開発に着手した。TRYBEの山本ケンタさんがディレクターとなり、「サムライスピリッツシリーズ」「星のカービィシリーズ」などの企画・開発を手がけたアダチヤスシさんが原作・シナリオを担当した。
「にゃん生すごろく」は、猫と「ご主人」のコマを選び、サイコロを振って進んだマスの物語を楽しみながら、ハートやアイテムカードを集めて遊ぶ。コマを進めると、子猫の頃は「ご主人」に甘え、大きくなると外で冒険をし、シルバーになると時がゆっくり進むなど、猫目線で歳を重ねていき、プレーヤーの元にはハートと思い出が残る。
TRYBEの山本さんは「ハートを多く集めた人が勝ちとなるが、にゃん生に勝ち負けはない。猫好きの人にヒアリングをしたり、テストプレーも猫好きの人にしてもらったりしながら物語を楽しめるようにした。テストプレーに参加した人からは、家に帰ったら猫をかわいがりたい、うちの猫はこうだったという話が聞けた」と話す。プレー人数は1人~4人。プレー時間は約30分。価格は4,378円。夏前の販売を予定する。
現在、クラウドファンディングを通じて支援者を募集しており、5月28日現在で、263人から207万9,000円の支援金を集めている。募集は6月14日まで。
山本さんは「全猫好きさんにこの物語を楽しんでほしい。子猫から大人まで、かわいくて切なくて、猫好きの方に愛を感じながら楽しんでもらいたい。普段ゲームをしない人も、かわいい『にゃん生』の物語に共感していただけると思うので手に取ってもらいたい」と話す。