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東大阪・旧河澄家で酒井南斎さん「花の切り絵展」 独自技法で色鮮やかに

切り絵作家の酒井南斎さん

切り絵作家の酒井南斎さん

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 企画展「一味違う切り絵の世界 花の切り絵展」が6月13日、東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で始まった。

黒い線を少なくした鮮やかな作品

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 1952(昭和27)年生まれ、大阪市東住吉区出身の切り絵作家・酒井南斎さんの作品を紹介する同展。酒井さんは「定年退職後、写真教室に入会して昆虫と花の写真を撮影するようになり、冬は撮影するものがないので、自分が撮影した写真のプリントを基に下絵を描き、切り絵を始めた」と話す。10年ほど前から大阪や奈良の街の様子を切り絵で表現するようになり、2016(平成28)年に初めて出品したという、道頓堀の老舗店「はり重」を題材にした切り絵作品は「第20回大阪描こう展 シェラトン都ホテル大阪賞」を受賞した。

 酒井さんが個展を開いた際、作品を見に来た人が「切り絵を教えてほしい」と言ったことをきっかけに、「たのしい切り絵教室」を7年前に開設。20人ほどが月に1回習い、5年前からは長居植物園(大阪市東住吉区)で、毎年10月に花を題材にした生徒作品を展示する「たのしい切り絵教室美術展」を開催している。

 旧河澄家では昨年8月30日~9月23日の期間、大阪と奈良の風景を題材にした酒井さんの切り絵展を開催。「昨年の展示が終わった時に来年もしてほしいと言われ、今年は教室でも教えている花の切り絵にしようと思った」と酒井さん。今回の企画展では、昨年展示が終了した後に制作したという花の切り絵作品39点を展示する。

 酒井さんは「切り絵は工芸作品で、細密にすればするほど線の黒色が多くなり暗くなる。どうにかできないかと考え、ただ線を減らすと平面的になるので、同じ色でも濃さの違う紙を重ね、境目の黒い線を切ることで鮮やかに見えるように工夫している。紙の色の数は限られているので実際と同じようにはならないが、違う色を使っても意外と良いものになることもある」と話す。

 開催時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入館無料。7月13日まで。

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