近畿車輛(東大阪市稲田上町2)で6月24日、初の大阪環状線・JRゆめ咲線専用新型車両「323系」が公開された。
JR西日本グループでは2013年度から、大阪環状線のイメージアップと利用客の満足度向上を目的とした「大阪環状線改造プロジェクト」に取り組み、商業施設「ビエラ玉造」の開業や駅のイメージに合わせた発車メロディーの導入、駅の美装改良などを手掛けてきた。
同プロジェクトの柱の一つとなる新型車両「323系」の開発では、「安全・安心の向上」「機器の信頼性向上」「情報提供の充実」「人に優しい快適な空間」の4つのコンセプトを据え、外観は大阪環状線の電車として長年親しまれてきたオレンジ色を基調とした。
同車両では、3枚扉、ロングシートを採用。シートの両端の袖仕切りは肩が当たりにくいようななめに設置し、優先座席には立ち上がりやすいよう個別の肘掛けを付けた。貫通扉には従来よりも軽い力で開閉が可能なアシストレバーを採用し、全車両に車椅子・ベビーカースペースを設置。車内案内表示は日・英・中・韓の4カ国語表示に対応、訪日外国人向けに無料公衆無線LANサービスを提供する。
女性専用車両は、車体ドア横カラーをピンク色に変更。車内のLED照明も一般車両よりトーンを落とした電球色とし、さらなる識別化を図る。安全面では、運転士に異常が発生した場合に列車を停止させる「EB-N機能」、戸挟み検知装置などを導入したほか、車内防犯カメラを試行設置する。
会見には、鉄道アイドルとして知られる斉藤雪乃さんが「オレンジバーミリオンをちょっと大人っぽくアレンジしてみた」という衣装で登場。「ちょっと大人っぽい、落ち着いて愛されていくんだろうなというデザイン。オレンジバーだけでなく、221系や225系の茶色が使われているのに感動した」と話し、「Sバネが復活して座り心地がいい」「窓が大きくて開放感がある」など、車両を見学して気になったというポイントを挙げ、「すべての人に優しい車両だと感じた。40年、50年、もっと長く活躍してくれることを願っている」と笑顔を見せていた。
同車両の投入線区は大阪環状線・JRゆめ咲線、投入車両は168両。2016年~2018年に順次投入し、国鉄時代に製造された大阪環状線内の103系・201系通勤系電車を全て置き換える。