東大阪の製造業とクリエーティブのコラボレーションで新規事業創出を目指す「東大阪活性化プロジェクト」のキックオフイベントが7月21日、開かれた。
東大阪市から誕生した製品の魅力を都市ブランドとして発信する東大阪ブランド推進機構の立ち上げから携わる阪本亮一さんが代表を務める「夢現大グループ」と、関西のITとものづくり企業をつなぐ場を作る「ITisKansai」、ウェブやDTPのデザイナー、ゲームクリエーター、建築デザイナーなど幅広いジャンルの約400人のクリエーターを集めて「ビジネスの種」を創出する「サクサクプロジェクト」が手を組み誕生した同プロジェクト。
約2年前に始まった「サクサクプロジェクト」ではこれまで、京都府綾部市での「自然×子ども×IT」をテーマにした地域活性化イベントや、岐阜県郡上市のスキー場のスマート化などに取り組んできた。「東大阪活性化プロジェクト」は、「クリエーターらが得意でない人材育成や経理面、起業支援や資金調達のサポートを得意とするグループと一緒に立ち上げた」と、サクサクプロジェクトを展開するちゅるんカンパニー(大阪市北区)の深川正英さん。新製品や新サービスなど、新規事業の創出を目指す。
同プロジェクトでは、異業種交流するだけでなくファシリテーションの手法をベースに、課題や問題点、目標などを出し合い共有する「ミートアップ」を月1回開催予定。「これまでに見たプロジェクトはメーカーのしたいことに対してデザイナーをマッチングするものが多かったように思う。その解決方法で合っているのか、時間はかかると思うが課題や目標を掘り起こしながらやっていきたい」と話す。
同プロジェクトでは新製品に限らず、「既存の技術+IT」「既存商品+クリエーティブ」など、既存の技術をアレンジして付加価値を付け、「これまで製造業が苦手としていたプロモーションや広報をきちんとして育てることもしていきたい」と深川さん。現在は2019年のラグビーW杯に向けた事業創出と、プロジェクトの当面の売り上げ20億円到達を目標に据える。
「1つの企業が製品を作っても『点』でしかなく、『線』や『面』『立体』にする広がりを持っていかなければ継続性は生まれない」とし、「オープンイノベーションが重要。チームを作って事業化していきたい」と意気込む。
8月18日と9月23日に「東大阪メーカーズ・ミートアップ」を開催予定。