東大阪市指定文化財の「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で現在、灯火具を中心に展示する「灯(あか)り展-旧河澄家民具から見る灯りの歴史」が開催されている。
先祖は南北朝時代までさかのぼることができる旧家で、江戸時代、日下村に3軒あった庄屋のうちの1軒だった河澄家。2001年に東大阪市の文化財に指定され、江戸時代初期の様相を残して保存修理工事し、2011年から一般公開。年中行事に合わせて所蔵品を企画展示している。
盆の時期に合わせて企画した同展は、江戸時代のものと推定されるものから明治・大正期までの灯火具を、使用シーンに合わせた部屋に展示。「ダイドコ」「クチノマ」には、まきやろうそく、灯油、石油、ガス、電気と、時代とともに移り変わる燃料の歴史が分かる灯火具を、解説パネルと共に並べる。火をおこす際に使用した道具が入った火打ち箱や、灯明道具が入れられていた箱も展示する。
「ナンド」にはあんどんやしょく台、ぼんぼりなど、室内を照らした灯火具、「ザシキ」には外出用や夜間用の灯火具を集める。ぶらちょうちんや箱ちょうちんなど、同家の家紋である沢瀉紋(おもだかもん)が入ったちょうちんが並ぶ。
庭には石どうろうがあり、軒先につる釣りとうろうや台とうろうなど、デザインを重視したものや趣を楽しむ観賞用のとうろうも展示。
統括責任者の堀木昌彦さんは「部屋の雰囲気と共に、こんな暮らし方だったのかと当時の暮らしを思い浮かべながら知ってもらいたい」と話す。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜定休。入館無料。9月4日まで。