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東大阪の「福井プレス」、ドッグウエアの花粉対策加工を開始 1着から対応

福井プレスの福井伸社長

福井プレスの福井伸社長

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 染色・クリーニングなど繊維加工を手掛ける福井プレス(東大阪市西石切町6)が6月、1着からオーダーできるドッグウエアの花粉対策加工の提供を始めた。

福井プレスの工場

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 1938(昭和13)年、クリーニング工場として創業した同社。3代目の福井伸社長は、家業を継ぐため洗剤の卸会社に勤めて修業をしていたがクリーニング業界は斜陽産業へと傾き、「染色はどうか」と2000(平成12)年に染料を販売する会社に転職した。

 染料を販売する中、染工場の経営者の話を聞く機会があったが、染色も「昔はもうかった」という話が多く、福井社長は「染色はクリーニングと同じ機械が使える。どちらもパイは小さくなっているが2つ合わせたらいけるのでは」と、2003(平成15)年に実家のクリーニング工場に戻り、足りない機械は廃業した染工場のものを低価格でそろえ、アパレルのサンプル品など小ロットの染色加工から始めた。

 個人からの問い合わせが入るようになり、2010(平成22)年には個人向けの衣類染め直しサービス「染め直し屋」(TEL 072-986-9295)の運営を開始。色あせた服の復元やリメーク、衣類以外にもソファカバーなどの染色加工の依頼がくるようになり、5~6年ほど前にはアパレルメーカーからドッグウエアの加工ができないかと依頼がきた。

 ドッグウエアでは、撥水(はっすい)、吸湿発熱、防蚊などの加工をしており、ドッグウエアを作る個人の作家にも広まった。「染色は本来、反物単位だったが、完成品に加工できるので個人でもオーダーしやすい。加工している生地を使って作るのでは色柄が限られているので、好きな色柄と加工を組み合わせられるのが特長」と福井社長。個人作家から犬にも花粉症があることが話題になっていると聞き、新たなメニューとして花粉対策加工を始めた。

 加工は、花粉をはじく屋外用加工と花粉を吸着する室内用の2種類を用意。屋外用は、花粉を付きにくくすると同時に付着した花粉を簡単に払い落とすことができる加工で、屋内用は、部屋の中に持ち込まれた花粉を衣類がキャッチし飛散を抑え、吸着した花粉は水で洗い流すことができるという。基本料3,000円に品物の重量100グラムにつき260円が加算される。

 昨年2月には、持ち込みができるよう工場の近くに店舗を開設した。「今後はドッグウエアを作るワークショップや、染め・加工の体験などもしていきたい」と意欲を見せる。

 営業時間は9時~17時。土曜・日曜・祝日定休。

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