近畿日本鉄道は10月25日未明、来春運行を開始する新型名阪特急「ひのとり」の車両を、製造する近畿車輛(東大阪市稲田上町2)から近鉄高安車庫に向け搬送した。
2020年3月14日に大阪難波~近鉄名古屋間で運行開始する新型車両80000系「ひのとり」は、「くつろぎのアップグレード」をコンセプトとし、後部座席の乗客に気兼ねなくリクライニングできるバックシェルを日本で初めて全席に設置。
両先頭車両の「プレミアム車両」は、座席の前後間隔がアーバンライナーより25センチ広く130センチとし、ハイデッカー構造と前面・側面の大型ガラスにより広い眺望を確保する。中間車両の「レギュラー車両」の前後間隔も116センチと同社最大でゆったりとくつろげる車内空間とした。全席にコンセントを完備し、無料Wi-Fiやディスプレーでの4カ国語での情報提供、大型荷物置き場を各車両に設置するなどインバウンド対応を強化する。大阪難波~近鉄奈良間でも一部の特急に運用する予定。
車両は、6両編成8編成、8両編成3編成の全11編成72両を製造。25日は、近畿車輛の工場から先頭車両と中間車両各1両をトレーラーで高安車庫に搬送。高安車庫では検査など、仕上げの作業工程に入る。