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大阪商業大学で「楽しい生き方」企画展 江戸から昭和、大阪人の楽しみ方紹介

アザラシが浜に上がったことを伝える瓦版

アザラシが浜に上がったことを伝える瓦版

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 大阪商業大学(東大阪市御厨栄町4、TEL 06-6785-6139)商業史博物館企画展示室で現在、開学70周年記念連携企画展「『楽しい生き方』の系譜 -大阪文化の源流-」が開催されている。

北野恒富の弟子・小西秀麿の作品「宝恵駕籠」

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 同大学の開学70周年を記念し、建学の理念を支える4つの柱の一つ「楽しい生き方」をテーマに企画した同展。同館が所蔵する、船場を中心とした町人の史料から「楽しく生きる面白いもの」を選び、展示する。

 日常を彩る楽しみとしては、住まいに飾るものとして大坂四条派の作品群をはじめとする大阪画壇の作品を紹介。同大公共学部公共学科の明尾圭造准教授は「大阪画壇の絵画は大阪の町人が好んだもの。展覧会向きではないが、日々の暮らしの中で見るのが大阪の絵画作品の享受の仕方で書画を飾ることをステータスとしていた」と解説する。

 明治から昭和にかけては新聞各紙が売り上げを伸ばそうと、美しい絵が描かれたカレンダーや風刺画を付録として付けていたといい、当時の世界一のものを集めてデザインしたポスターや、北澤楽天が描いた時事漫画などを展示する。

 天下随一の流通拠点だった大阪では、安治川河口にたまった土砂で諸国廻船の航行に支障が生じると、1831(天保2)年から土砂を取り除く「御救大浚(おすくいおおざらえ)」と呼ばれる幕府主導の大規模工事が行われた。「負担の大きな公共事業への労働奉仕も、町ごとに法被やのぼりをそろえ、やらされているのではなく、祭りさながら積極的に参加し楽しみに変えていた。この時に積み上げた土砂を廻船の目印になる山としており、それが後に天保山と呼ばれるようになった」という。

 同館では貴重な博覧会資料を数多く所蔵しており、その中から1970(昭和45)年に大阪で開催された日本万国博覧会の資料を展示。面白いパビリオンの写真やスタンプ帳などを展示し、当時の人々がどのように楽しんだかを紹介する。

 11月14日・28日には、学芸員が展示資料を解説するギャラリートークを行う。受講無料。事前申し込み制。

 開館時間は10時~16時30分。日曜休館。観覧無料。12月7日まで。

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