東大阪市内にあるロータリークラブ5団体と姉妹団体の台中扶輪社が6月8日、東大阪市にフェースシールド5520個を寄贈した。
東大阪の5つのロータリークラブで構成する東輪会には、中小企業約200社が加盟。東大阪西ロータリークラブがフェースシールド寄贈を呼び掛けたところ、全5クラブが賛同。材料の調達からパッケージまで、すべて東大阪市内で行ったメイドイン東大阪のフェースシールドが完成した。
設計・試作を手掛けたのは、工業製品や電気製品、日用雑貨の試作品製作を手掛けるアイ・プロジェクト(東大阪市本庄西1)。市村優次社長は「医療現場は取り上げられるが歯科医師にはスポットが当たっておらず、メンバーの歯科医師から連絡をもらってすぐに作った」と話す。歯科医院の現場に足を運び、診療に必要な歯科用スコープやルーペなどを装着してもシールドに当たらず診療できるよう試用と改良を重ね、6社でメイドイン東大阪のフェースシールド「アイ・ビー・メディカルシールド」の量産体制を作り上げた。
同製品は、耳のあたりまで覆って横からの飛沫(ひまつ)を防止し、フレームのサイズは容易に調整できるのが特徴。フレーム側面後部にはマスクのゴムを掛けるフックを付け、耳の負担を軽減する。
東大阪ロータリークラブの山澤正之会長は「使わなくていい時が早く来てほしいが、予防や第2波、第3波に備えて東大阪ならではの物を活用してほしい」と、フェースシールドを寄贈。野田義和東大阪市長は「医療や教育など一定の距離を保つことができない仕事もある。今までに使ったことがないものだが、時間のない中でニーズにあったものを作れるのがものづくりの街ならでは。末長い支援をお願いしたい」と感謝の言葉を述べた。寄贈されたフェースシールドは、東西歯科医師会を通じ、市内歯科医療機関に配布する予定。
同製品は現在、メディビート(鳥取県米子市)が販売。東大阪ロータリークラブと台中扶輪社は、7月にも市にフェースシールドを寄贈する予定という。