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東大阪市民美術センターで「みんなで選んだ版画展」 前田藤四郎など176点

写真右から川西英「阪神パーク」「大阪城」「堺水族館」

写真右から川西英「阪神パーク」「大阪城」「堺水族館」

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 東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で8月6日、特別展「みんなで選んだ版画展/大阪府20世紀美術コレクションより」が始まった。

浅野竹二の作品

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 同センターには約90人のボランティアスタッフが登録しており、展覧会場の監視や展覧会の告知、庭園の掃除などでセンター運営を支えている。今回は、「いつも展覧会に参加してくれるボランティアスタッフの方々と、もう少し美術関係の仕事を一緒にできないか」と同展を企画。初の試みとしてボランティアスタッフから有志を募り、センタースタッフと共同で展示作品を選定した。

 選定に参加したボランティアスタッフは33人。選定者からの人気が高かった作品は、京都出身の木版画家である浅野竹二が大阪や京都の風景を版画にした名所絵シリーズや、色彩の豊かな作品だという。

 20世紀の大阪は、前田藤四郎をはじめとして、大正から昭和にかけての大阪や京都の変わりゆく風景を版画に収めた浅野竹二や川西英、瑛九や泉茂らが結成した「デモクラート美術家協会」、前田、泉ら8人が結成した「版画8」など、版画作品の製作と、作品を通した運動の重要な舞台となった。大阪府は現代版画コンクールや大阪トリエンナーレを通じてこれらの版画作品の収集を行い、「現代版画コレクション」とした。1300点を超える本コレクションは、「大阪府20世紀美術コレクション」の主要な一角を占める。

 今回展示するのは176点。前田藤四郎の「散髪屋」(1929年)、川西英の「阪神パーク」(1939年)をはじめとする、20世紀の版画界を代表する作家たちの作品を通して、関西を中心とした版画界の活気ある動向を感じることができる。

 学芸員の半羽優子さんは「浅野竹二など有名作家の作品がまとめて展示されることはほとんどない。版画というと木版画をイメージする人が多いが、一見すると版画には見えないような技法の作品もあり、デザインも幾何学的なものや日常をモチーフにしたものなど、いろいろな版画作品が集まっているのが本展の特徴」と解説する。

 半羽さんは「好きな作品を見つけると、日常との距離が少し遠くなり、忘れることができると思う。気分をリセットできる場所として楽しんでいただけたらうれしい」と話す。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。入場料500円。9月6日まで。

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