東大阪市と「ビューティフルスマイル」(大阪市西区)が1月25日、「子ども・子育て」「教育」「都市・環境」の3分野で包括連携協定を締結した。
ビューティフルスマイルは、規格外品や製造余剰品など、さまざまな理由で販売されない商品をオンラインで販売するフードシェアリングサービス「ロスゼロ」の運営会社。
同社のサービスについて、文美月社長は「日本では賞味期間が6カ月のものであれば最初の2カ月しか納品できない『3分の1ルール』や、足りないのが許されないという商習慣があり、家庭でも食べきれず廃棄したり、賞味期限と消費期限を誤解したりすることがあるなど、食品ロスが発生する問題を顕在化させ、ブランド価値を損なうことなく安く販売して応援消費をしてもらう取り組み」と説明する。メーカー側は、廃棄コストを売り上げに変えて在庫を削減することができる上、新しい顧客獲得の機会を得ることができ、消費者は商品を安く購入しながら社会貢献ができるという。
同社が自治体と連携協定を締結するのは今回が初めて。東大阪市内で展開する子ども食堂への菓子提供など子どもの居場所作り支援、SDGs講座など環境問題や社会問題に関する学びの機会提供、「ロスゼロ」を活用した市内の食品関連事業者における食品ロス抑制などに取り組み、講演やイベントを通じて市民や市内企業の食品ロス削減に向けた普及啓発活動を推進する。昨年12月には、市内6カ所の子ども食堂に市を通じて菓子を寄付した。
文社長は「東大阪在住で親しみがあり、市のホームページを見たら公民連携の窓口があって企業と柔軟にコラボしていることを知って連絡した。東大阪を知っているからイメージができるし、まず東大阪でやってみて気付くことがあると思う。東大阪市は人口が多く、東大阪市と弊社が新たに始めることで、大阪府、関西、日本全体が変わっていくと思うので波及するよう発信していきたい」と意気込む。
野田義和東大阪市長は「食品ロスにつながるさまざまな事象は理解しているが、具体的にどう動けば削減できるのか、有効活用できるのかを市民に説明できていない課題があり、具体的に提案していただけるので今日から踏み出すことができる」と期待を寄せる。