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近鉄ライナーズがコロナ禍の観戦マナー動画制作 私設応援団の武廣英司さん起用

インタビューに応じる「近鉄ライナーズ応援くらぶ」の武廣英司さん

インタビューに応じる「近鉄ライナーズ応援くらぶ」の武廣英司さん

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 ジャパンラグビートップチャレンジリーグの近鉄ライナーズが3月、コロナ禍での新しい観戦マナー動画を制作した。

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 トップチャレンジリーグでは開幕時は無観客試合だったが、3月13日から有観客試合として開催。近鉄ライナーズ広報の草野雅人さんは「リーグから提示されている新しい観戦マナーをファンにうまく浸透させる方法がないかと模索する中、動画制作を思いついた。長年、先頭に立って近鉄ライナーズの応援をしてくれている応援団の武廣英司さんが直接ファンに呼び掛けるのが効果があると判断し、武廣さんにオファーした」と経緯を話す。

 武廣さんは、学生時代は花園ラグビー場最寄りの東花園駅の隣の河内花園駅近くに住んでいたが、その頃は花園ラグビー場が近くにあると知らず、知人に誘われラグビーを見に行ったが、その時は特に興味を持たなかった。25年ほど前に東花園駅近くに家を買った武廣さん。「家の近くでは体格のいい外国人が自転車でウロウロしていて、近くに近鉄ライナーズの選手寮があると知った。その後、さまざまな人を通じてチームとの関わりができ、仕事を早く切り上げ毎日ラグビー場に練習を見に行くようになった」という。

 1999(平成11)年ごろ、花園ラグビー場がなくなるといううわさを聞いたという武廣さんは「試合を見る人を増やせば花園を守れるのでは」と考え、私設応援団「近鉄ライナーズ応援くらぶ」を立ち上げ、ラグビー場で会員募集を始めた。「ルールが分からなかったら周りの人に聞けばいい。会費もなく、上下関係もない。メンバー同士が軽くふれあい、みんなで一緒に楽しく見られる応援団をとの思いで作った」と話す。そのうち選手が家に遊びに来たり、食事に行ったりするようになるなど、チームにもファンにも知られる存在となった。

 武廣さんの応援スタイルは口上から始まり、メガホンを使い、旗を振る。「このコロナ禍では自分たちの応援スタイルではほとんどできることがない。どういう応援をすればいいか考えた」という。動画は、近距離で声を出して応援する人や選手と触れ合おうとするファン、スタジアムでの飲酒に「あかん」と言ってイエローカードを出し、新しい応援スタイルを提示する内容。動画の最後では「ラグビー文化の発展のため、ニュースタイルの応援でもっともっとラグビーを盛り上げていきましょう」と呼び掛けている。

 3月20日の試合を前にユーチューブで動画が公開されると、「お元気そうでなによりです!」「武廣さんに言われたら効果てきめん」「分かりやすい」などのコメントが寄せられ、試合当日は、試合前とハーフタイムに花園ラグビー場の大型ビジョンで上映された。

武廣さんは「一刻も早く前の状態に戻りたい。一生から見たらコロナの期間は短いもの。ルールを守り、『ラグビーのお客さんはルールをよく守る』と言われるようにやっていきましょう」と呼び掛ける。

 動画は、4月3日に布引グリーンスタジアム(滋賀県東近江市)で行われる近鉄ライナーズ対豊田自動織機シャトルズ戦の会場でも上映する予定。

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