企画展「昭和レトロな燐寸(マッチ)箱」が現在、国史跡・重要文化財の鴻池新田会所(東大阪市鴻池元町、TEL 06-6745-6409)で開かれている。
展示する資料は、東大阪市民の親族が1934(昭和9)年~1952(昭和27)年にかけ収集したマッチ箱の広告面。708点の広告面を分類し台紙に貼り付け保管していたもので、同館がブランド名や店名、所在地、製造会社などを調査し、公開に至った。昨年同時期に開催する予定だったが新型コロナウイルスの影響で延期となっていた。
同展では、食堂や食品・飲料、金融、日用品、百貨店、エンターテインメント、公共交通機関、旅館など、各分類から約300点を選び展示する。京阪神地方の食堂や劇場が主で、レトロモダンを感じさせるマッチ箱が並ぶ。
内容は、店名や商品名のほか、大売り出しや公演情報、忠臣蔵の登場人物が描かれたトレーディングカード風のものなどさまざま。尺貫法からメートル法への転換を知らせるものや、戦時下の国民教化運動が書かれたものもある。
「見に来られた70代ぐらいの人に聞いたところ、切手収集のように当時はマッチ箱のコレクションがはやっていた。マッチ箱を実際に集めていたという人もいる」と、学芸員の別所秀高さん。「戦前に流行したものや生活習慣、食堂など、当時の世相や風俗が分かって面白い。改めていろいろな世代の人に見てもらいたい」と話す。
観覧時間は9時30分~17時。月曜休館。観覧料は、大人=300円、小・中学生=200円(土曜午前は、小・中学生、高校生無料)。7月11日まで。